白山市 わな設置場所や誘導など学ぶ 県猟友会の会員らを対象にしたクマ捕獲技術の研修が17日、白山市三宮町の県農林総合研究センター林業試験場であった。主催した県によると、今秋はクマの餌となるブナの実の大凶作が予測される。市街地で出没が増える可能性があり、参加者は効率的な捕獲方法を学んだ。

 白山支部(同市)と野々市支部(野々市市)の猟師ら36人が参加。獣害対策などに取り組む野生鳥獣対策連携センター(兵庫県)の上田剛平さんが講師を務めた。研修は座学と実地があり、餌を内部に設置したおりにクマを誘って捕獲するわなの有効な使い方を紹介した。上田さんはクマの人身被害を防ぐ上で「住民の目撃情報を円滑に市町や猟友会などの捕獲隊に流す態勢を整えることが重要」と指摘。過去に出没した場所はわなを設置する際の参考になると説明した。

 実地研修では、白山市が管理するおりを使って上田さんが運用時の注意点を説明した。参加した同市白峰の池内裕さん(62)は「クマの捕獲は経験したことがないが、今日学んだことを生かして、被害防止に貢献したい」と話した。

 県は5月、人里近くで近年クマが多く目撃されていることなどから「ツキノワグマ出没注意情報」を発令するなど、市街地での出没に警戒を呼びかけている。県内では今年、金沢、白山両市でクマによる人身被害が2件発生していることから研修の開催を決めた。今月中旬に能美市、小松市でも開く。(安里秀太郎)