ルーマニア友好協主催 太田さん(小矢部出身)共演 ウクライナとルーマニアの音楽家を招いた「チャリティ公演2024とやま」が5日、富山市牛島町のオーバード・ホールで開かれる。富山ルーマニア友好協会と、地元経済人らでつくる実行委員会が240ほどの企業・団体から協賛金を募り、初めて催す。ロシアによる侵攻が長期化する中、ウクライナの若手演奏家を支援する輪が北陸に広がり実現する。入場無料。(沢井秀和)

 初めて富山入りしたウクライナの音楽家は20代の4人で、フルート、オーボエ、トランペット、ビオラの奏者。母国での演奏活動が難しい状況にあり、ルーマニアやオーストリアに拠点を移している。家族は母国にいるという。

 このうち、オーストリアを中心に活動するビオラ奏者のテリナ・カテリーナさんは「日本での演奏は大きなチャンス。オーストリアでは金沢市出身のビオラ奏者が親友だった。彼女の母国、日本を訪問し、演奏するのが夢だった」と話す。

 公演は、ルーマニアとの文化交流を長く続け、2007年に同国大統領から芸術文化勲章を受けたピアノ奏者の竹内祥子さん(富山市)がルーマニア大使館から開催を提案されたのがきっかけ。竹内さんは「ウクライナの4人は、たくましく生きる国際人。富山入りしてから岩瀬浜で散歩するなど活動的でもある。厳しい状況にある4人の演奏、生きざまに触れる絶好の機会になる。ぜひ来場を」と呼びかけている。

 ルーマニアからは、国立交響楽団の首席奏者で日本での活動も豊富なバイオリンのクラウディウ・ホンティラさんら弦楽器奏者5人が参加する。

 地元とのコラボも楽しみ。龍笛・サックス・おりん奏者の太田豊さん(小矢部市出身)、和太鼓の成田千恵子さん(石川県内灘町)、笙(しょう)の曽山郁朗さん(金沢市)が出演する。太田さんが橋渡し役になり、和のテイストを出す。成田さんは「能登半島地震もあった。どんな環境があっても人間が頑張って生き、希望を見いだすような演奏ができれば」、曽山さんは「主張しすぎないように響かせたい」と話している。

 午後6時半に開演。会場に募金箱を設けて支援金の協力を呼びかける。(問)富山ルーマニア友好協会toyama.ro.ua@gmail.com