コウノトリひな2羽死ぬ 越前市

 県と越前市は二十日、同市安養寺町で営巣する国の特別天然記念物コウノトリの野外ペアから誕生したひな二羽が死んだと発表した。親鳥の雌「みやび」が巣から落としたとみられ、巣内に生きたひなはいないと推定される。すでに死んだ一羽を含め三羽のふ化が確認された。県内で自然繁殖によるひな誕生は五十五年ぶりだったが、巣立ちには至らなかった。
 市などは営巣する人工巣塔の近くにカメラを設置し、インターネットで巣の様子のライブ映像を配信している。市農政課によると同日朝、みやびが午前四時半ごろにひな二羽を巣から落とすのを映像で見たとの情報提供があった。市職員らが現場に向かい、巣塔下で死骸を発見した。
 市は朝から昼すぎにかけての映像記録を確認したが、親鳥がひなに餌を与える行動がなく、巣を離れる時間が長いことから、巣に生きたひなはいないと判断した。
 十三日にひな誕生が確認されて以降、子育てをしていたのは雄「たからくん」。みやびを巣に寄せ付けない行動を取り、ひなの成長への影響が懸念されていた。みやびはたからくんが巣を空けた隙にひなを落としたとみられるが、原因は不明。
 十四日には、たからくんがひな一羽を巣から落とし、死んだことが確認されている。体が小さかったり、弱かったりするひなを死なせる「間引き行動」とみられるが、今回のみやびの行動との関連性は薄い。
 コウノトリをシンボルにした自然環境保全活動に取り組む「水辺と生き物を守る農家と市民の会」の恒本明勇(あきお)会長(72)=同市都辺町=は「残念で言葉が出ないが、今回だけで終わるわけではない。これからも白山地区で繁殖活動が続いていくものと信じている」と話した。
 ひなの死骸は市が保存し、今後の処理方法は未定。市はしばらく、親鳥の経過観察を続ける。

 (玉田能成、中場賢一)


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