ウエディングドレスデザインの第一人者として活躍した桂由美（かつら・ゆみ、本名結城由美＝ゆうき・ゆみ）さんが２６日に死去した。株式会社ユミカツラインターナショナルが３０日、公式サイトで発表した。９４歳だった。東京都出身。桂さんの生前の意向により、死因は明らかにしていない。また、同社は葬儀・告別式、お別れ会なども桂さんの意向により行わないとした。追悼ショーを後日開催予定という。
同社は３０日、公式サイトで「１９６５年以来ユミカツラのクリエイティブディレクターを務めてきた桂由美の逝去を発表します」と伝えた。続けて「数々の困難を乗り越えながら、実業家として、変革者として”婚礼衣装の選択肢を増やしたい”とブライダル革命を起こし続けた桂由美の功績に触れることなしには日本のブライダルは語ることが出来ないでしょう。桂由美のウエディングドレスにかける強い思いと美への探究心――そこから生み出されるドレスたちは多くの花嫁様を輝かせ、かつてない自信と感動を届け、新しいクリエイションを生み出し続けてきたことは忘れてはなりません。ユミカツラは、心より哀悼の意を表しますともに、ご冥福を心よりお祈りします」などと追悼した。
「ユミカツラ」ブランドの今後については「ユミカツラのデザイナーであり、３０年以上桂由美の右腕として共にクリエイションをしてきた藤原綾子·森永幸徳·飯野恵子の３名が率いるユミカツラのクリエイティブチームが、桂由美の想いと遺産が生き続けるよう、後任としてコレクションの制作を託されました」とした。
桂さんは、共立女子大被服学科卒業後、フランスに留学。１９６４年に日本初のブライダルファッションデザイナーとしてデビュー。翌年、日本初のブライダル専門店をオープンさせ、パリやニューヨークなど各国の都市でもブライダルファッションショーを行い”ブライダルの伝道師”とも呼ばれた。７０年代に「ＯＬの１カ月の給料で買える」既製服のウエディングドレスを発表し反響を呼んだ。
１９９３年に外務大臣表彰、２０１９年に文化庁長官表彰を受賞。２３年には、ウエディングドレスを通じて絹文化の発展に貢献したとして蚕糸功労者最高賞「恩賜賞」を受賞した。
北川景子、安めぐみ、神田うのら芸能人のウエディングドレスやステージ衣装なども数多く手掛けた。
今年２月１５日には、衣装を担当した、日本舞踊家で歌手の花園直道（３５）の芸能生活２０周年記念公演の制作発表に元気な姿を見せ、衣装に込めた思いなどを語っていた。
