女優水川あさみ(40)が真実を追う新聞記者役で主演するTBS系金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」(金曜午後10時)が今夏スタートすることが決定した。共演の玉山鉄二(44)は謎多き政治家秘書を演じ、櫻井翔(42)は国民に絶大な人気を誇る政治家役に初挑戦する。

 原作は日本推理作家協会賞など多くの受賞歴を持つ人気作家・早見和真さんの同名小説。

 リベラルな言動と持ち前の笑顔で、未来の総理候補といわれる政治家・清家一郎(櫻井)と、清家を支える政務秘書官・鈴木俊哉(玉山)の関係は高校時代からの付き合いもあり、完璧に見えた。しかし、元社会部の敏腕記者で、あるスクープがきっかけで文芸部に異動させられた道上香苗(水川)は清家の取材で違和感を覚える。そんな中、同じ記者だった道上の父が長年追っていた事件の取材中に不審な死を遂げる。事件の背後に浮上したのは、清家の秘書だった。

 道上が清家と鈴木の過去を探っていく過程で不審な死亡事故が相次いでいたことが分かり、それは父の事故死ともつながっていく―。ドラマは人間の欲望、野望と闇の迷宮に新聞記者が迫っていくスリリングなヒューマン政治サスペンスだ。

 TBSの連ドラ出演は金曜ドラマ「わたしを離さないで」以来8年ぶりの水川は「原作を読ませていただいて、人の〝業〟や他人には見せたくない人間の側面にある〝謎〟の部分が描かれているところに興味を持ちました。道上は行動力があり、不器用なくらいまっすぐな女性です。好奇心が強く気になったことは突き止めずにはいられない性分。人として面白いなと思いました」と役柄への印象を語った。

 さらに「さまざまな謎が絡み合う中で、道上は視聴者の皆さんと同じ視点で進んでいきます。一つ一つ謎を見極めながら没頭していく道上の生々しさが伝わればいいなと思います」と見どころをアピールした。

 今年1月期の日曜劇場「さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜」で気弱で優しい楽団員の好演が記憶に新しい玉山は本作に「人間の欲望やえぐみを生々しく描いた斬新な作品。僕が演じる鈴木は清家を総理にするためならすべてをささげるような男です。その関係が果たしてピュアなものなのか。清家を利用しているのか、利用されているのか…その複雑な関係性を推測しながら楽しんでいただけたらと思います」と語った。

 玉山は水川との共演は20年ぶり。「お互い環境も変わって大人になりましたが、まったく変わっていなくてホッとしました」とコメントした。

 初の政治家役に櫻井は「これまで報道番組で政治家の方にインタビューしてきた自分が今度は政治家を演じることになり、自分もそのような年齢になったのかと驚くとともにうれしくもありました。最近はニュースで政治家を見るたびに〝何かヒントはないか〟という視点で、つい観察もしてしまいます」と明かした。

 また、タイトルにちなみ「マトリョーシカの殻を外していくようにさまざまなことがどんどん出てくるストーリー展開で、視聴者をどうだましながら話が転がっていくのか。感じたことのない〝違和感〟を楽しんでもらえる作品にしていきたい」と意気込んでいる。