東映の京都作品で活躍した美術デザイナーの井川徳道(いかわ・のりみち)氏が16日に死去した。95歳。京都市出身。通夜は16日、葬儀・告別式は17日に執り行った。

 井川氏は1949年に京都市立美術専門学校(現京都市立芸術大)を卒業。54年に東映京都撮影所美術デザイナーとして契約。58年に「江戸の名物 一心太助」(沢島忠監督)で美術デザイナーとしてデビュー。以降、東映を中心に約135本の劇場用映画を担当。大阪芸術大映像学科非常勤講師、客員教授などを務め後進の指導に従事。82年に「魔界転生」で日本アカデミー賞最優秀美術賞を受賞した。2003年に旭日小授賞受賞、11年に京都府文化功労章受賞。

 主な作品は映画では「真田風雲録」(1963年)、「十三人の刺客」(64年)、「明治侠客伝 三代目襲名」(65年)、「沓掛時次郎 遊侠一匹」(66年)、「祇園祭」(68年)、「やくざ戦争 日本の首領」(77年)、「柳生一族の陰謀」(78年)、「冬の華」(78年)、「魔界転生」(81年)、「序の舞」(84年)、「空海」(84年)など。ドラマでは「影の軍団」シリーズ、「暴れん坊将軍」シリーズ、「遠山の金さん」シリーズ、「水戸黄門」シリーズなど多数。