ロックバンド「X JAPAN」のYOSHIKIが17日、東京・六本木のグランドハイアット東京で記者会見し、8月2〜25日に同所で6日間10公演のディナーショーを開催することを発表した。過労により4月26日から東京都内の病院に入院したが10日に仕事復帰し、この日は入院後初の公の場となった。医師の診断結果を自ら公表。「自力で眠ることができなくなった」と打ち明けた。療養などのため、今年はこのディナーショーが最初で最後の単独公演になるという。

 4月16日(日本時間17日)に米ロサンゼルス(LA)のドジャー・スタジアムで行われた大リーグ・ドジャース―ナショナルズ戦でアメリカ国歌をピアノ演奏し、大谷翔平や山本由伸とも初対面して話題を振りまいたYOSHIKIだが、実は満身創痍(そうい)だった。

 一度は辞退を申し入れたそうだが、またとない機会だけに強行突破を決意。直前に仕事先の海外からLA入りしたという。この大きな仕事を終えた後に日本に戻って撮影中、ついに倒れてしまった。医師の診断は過労に伴う全身倦怠(けんたい)感、睡眠障害、栄養失調などで「簡単に言うと、自力で眠ることができなくなってしまった。そういう状態で入院していました」と衝撃の発言が飛び出した。

 「時差ぼけに続く時差ぼけ。そういう生活を何年も繰り返しているので…」。国内外を飛び回る超多忙なスケジュールによって深刻な睡眠障害に悩まされている。だが、ストレスを抱えないように適度の芸術活動継続が望ましいとも診断された。そのため、ピアノを病室に持ち込めないか病院側に打診したが却下され、演奏ができる場所にたびたび戻っていたことを明かした。

 全快状態を100とすれば、現在は「35くらい」という。年間をかけて仕事のペースを落とし、移動もなるべく減らす必要があるため、今年はクラシックコンサートの開催を見送ってディナーショーに全身全霊を注ぐことを決意した。

 昼公演(ブレックファーストショー)が8万8000円、夜公演(ディナーショー)が11万円で「世界一豪華なディナーショー」と呼ばれているが、今年はディナーショー史上最高額となる1席30万円の「VIP Premiumパッケージ」が初登場。ステージ前方テーブルの確保やプロカメラマンによるYOSHIKI本人との写真撮影などさまざまな特典が付く。

 YOSHIKIは「ステキなショーをできるようにペース配分を考えながら、ファンの皆さんとお会いできるのを楽しみにしています」と語った。