3月の「R―1グランプリ」で優勝した街裏ぴんく(39)が19日、東京・中野のなかのZERO 小ホールで、同大会後初の単独独演会を開催した。空想の物語をさも真実のように語る”ホラ漫談”でピン芸人の頂点に立った体重110キロの大男は、開演前に行われた取材会で美川憲一を題材にした鉄板ネタを取材陣に披露。開口一番「完全に売れました!」とアピールしたものの、まだ優勝賞金の500万円が入金されていないことを告白した。

 22代目のR―1王者は芸歴20年の苦労人。芸人だけでは飯が食えず、バイトをしても長続きせず、すぐ辞める生活を続けていた。それでも芸人を諦めるなと背中を押し、支え続けてくれたのが連れ添って10年になる妻だった。背水の陣で臨んだR―1で頂点に立ち、優勝会見では賞金をハネムーンに使うと宣言していた。

 あれから2カ月。「完全に売れました!」という言葉のとおり、メディアへの露出や取材機会が増え、忙しい日々を過ごしている。街でも声をかけられる機会が増えた中、劇的に変わったことを問われると「嫁さんの機嫌がいいですね」と即答。「お金も仕事もなかったので、(妻が)自発的に何かを買おうという思いがなかったと思うんですが、何も言わずに髪の内側に金色のインナーカラーを入れてきました」と明かした。

 ハネムーンは2泊3日ほどで北海道を計画しているが、有言不実行のまま。多忙なスケジュールに加え、優勝賞金がまだ入金されていないからだという。

 「(M―1で優勝した)ミルクボーイは(入金までに)2カ月、THE W(女王の)の紅しょうがは半年かかったみたい。むしろ給料は下がっています。メディアが来ることによって日々のライブ(の回数が)が減ったので前よりもきつい。(妻は)賞金が入ることを見越してめっちゃ提案してくるので早く行かないと…」と恩返しできる日を心待ちにしている。

 一方で優勝してからも変わらないものを問われると「独演会が楽しいこと」と回答し、芸人仕事への愛着をにじませた。「(自分のスタイルは)賛否両論で言うと『否』がほとんどだけど、『賛』の濃さは自信がある。とにかく笑ってほしい。今回、R―1きっかけで確実に初めて見に来るお客さんもいる。そこらへんも意識してネタを考えました。とにかく笑ってほしい」とアピールした。

 CMやドラマ出演も今後の目標だといい「共演してみたいのは柳楽優弥さん。顔が大好き。あとは木村拓哉さんですね。木村さんと共演できたら失神しちゃうかも…」と笑っていた。