◇22日 大相撲秋場所11日目(東京・両国国技館)

 11日目はNHKの仕事が休みなのでテレビ観戦。照ノ富士と高安の熱戦を見てから、すぐに晩ごはんにした。腹がすいていることもあるが、近所の知人が栗ごはんに大根と鶏肉の煮物、それにゴボウときんぴらを持ってきてくれた。この原稿を食べてから書くか、書いてから食うか少し迷ったが、料理が冷めてしまうので、先にごはんを食べることにした。

 栗ごはんではなく「おこわ」でした。栗が大きく、ホコホコで実にうまい。大根と鶏肉の煮物は薄味だが抜群の味付けです。きんぴらは私の大好物で丼いっぱい、全部食べてしまいました。

 もう腹いっぱいで、もう何もしたくないと思いましたが、そうはいきません。それでは相撲を振り返りましょう。前にも言ったと思いますが、最近はすっかりと記憶力が衰えて、国技館から帰宅するころには、ほとんど思い出せない時もあります。

 その都度、中日スポーツの記者さんに、どんな内容だったかを聞いて文章にします。ですから、次の日の新聞を読んで自分でもびっくりするくらい、いいかげんなことを書いている時もあります。どうぞ、年寄りに免じてお許しください。

 それでは、照ノ富士と高安の一番。これだけは少し記憶に残っています。立ち合い、珍しく照ノ富士が頭から当たったと思うんですが、どうでしょう。

 そして、左で前みつを取りにいきますが、高安はそれを許しません。2人は右と左のけんか四つですから、当然、差し手争いになります。今場所は元気のない高安ですが、元大関の意地とでもいいましょうか、左半身で懸命に抵抗します。照ノ富士は右上手を十分に引いて、頭までつけます。

 寄って出たり、投げを打ったりして攻め続けましたが、高安は重い腰でよくこらえます。しかし、しだいに体が動かなくなってきたようです。それを察したのか、照ノ富士が右から大きく投げを打って、高安が横を向いたところを思い切り突き飛ばすと、すでに力尽きていた高安は、たまらず土俵下に転落しました。

 それからが大変でした。すぐに起き上がれず、ぴくりともしません。しばらくして、若者頭が数人出てきました。場内は静まりかえる。土俵上では照ノ富士が心配そうに見守っています。

 私も心配はしましたが、あの場合は土俵下にいた審判がもう少し、冷静に動くべきだったと思います。高安が動けなくなってかなりの時間、何もできず見守るばかりでしたが、とりあえず先に勝ち名乗りをあげるべきだったと思うのです。

 またしても文句ばかり言ってしまった。だから俺は嫌われるのだろう。もうすっかり疲れてしまったみたい。疲れたといえば、宇良も前日の相撲の疲れが残っているようだ。そんな時は「北の富士カレー」でも食べて、元気を出してほしい。トラックに一台分くらい送ろうか。本日はこれくらいで勘弁してください。すいません。(元横綱)