◇14日 女子ゴルフ KKT杯バンテリンレディスオープン最終日(熊本県菊陽町、熊本空港CC)

 3打差3位からスタートした竹田麗央(21)=ヤマエグループHD=が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算7アンダーでツアー初優勝を逆転で飾った。14日は2016年に熊本地震が発生した因縁の日。当時中学1年生で被災した熊本生まれの少女が「ここで勝ちたい」と願っていた地元大会で待ちかねた勝利をつかんだ。

 麗央選手と記者が初めて会ったのは、もうだいぶ前。母の哲子プロとはその昔…もう35年も前だろうか、アジアサーキットを出場選手と取材記者という立場でともに転戦した仲。この大会に出張した際に「うちの2番目。長女です」と紹介されたのが、この熊本空港CCだった。

 哲子プロは、同サーキットで食あたり(たぶん)して寝込んでいた記者に、自身の持っていた氷囊(ひょうのう)を貸してくれた優しい人。今でも彼女の顔を見るたびにその時のことを思い出す。

 この日、優勝会見を終えて哲子プロを取材すると麗央と書いてリオ、と読む名の由来を教えてくれた。「私は本当はさくらちゃんとつけたかったんですよ。4月生まれだし。でも主人がいくつか候補を考えていて、その中にリオがあった。もう届を出さなきゃいけない、っていうタイミングにうちのゴルフショップに来たお客さんが、ブラジル帰りで『リオのカーニバルはとにかくすごいよ』って言われて帰って行ったんです。それで『じゃあリオかな』、って。ゴルフボールを1ダース買っていかれただけで、それ以来一度も来店されてないんです。神様だったのかな」。こっちのリオもまだすんごいことをやってくれそうですよ。(ゴルフ担当・月橋文美)