東海初の真夏日となった4月28日、岐阜県下呂市の大洞川で「飛騨小坂あまご釣り大会」(益田川漁協主催、中日スポーツ共催)が開かれた。強い日差しの中、約60人が参加、大物を狙い1匹長寸で競った。一般の部では岐阜県恵那市のベテラン佐藤禮二さん(74)が唯一の30センチ超となる32センチを仕留め、優勝した。 (東條敏明)

 この日の最高気温は、下呂市萩原で30・7度を記録した。小坂地区も容赦なく日差しが降り注いだ。参加者の中には午前8時の釣り開始から30分ほどで「熱射病になりそう」と釣りをやめた年配者もいた。

 大会に備えて早朝、同漁協小坂支部のメンバーらを中心にアマゴの成魚300キロが分散放流された。30センチ級が250匹おり、中には40センチの超大物もいたという。午前9時の水温11度、平水だった。

 佐藤さんは共和橋上下区間に設けられた女性・子供区間の下流左岸の護岸上から釣り始めた。足と右肩の調子が悪く、石がゴロゴロ転がる河原を歩くのを回避したポイント取りだった。これが奏功した。護岸上にはだれもおらず、釣りやすいが、水面までは数メートルあり、取り込みには苦労した。

 優勝魚は大会終了の30分前、午前9時半ごろにヒットした。下流の階段まで移動して引きずり上げた。「朝イチは逆光で目印が見えず、不利だったが後半良くなった」。32センチを頭に43匹と数もさすがの釣果だった。渓流竿8メートル、道糸・ハリス通しのナイロン0・6号、針は半スレヒネリ7・5号。オモリは針上25センチに3B1個。「流れより餌をゆっくり、底から少し上を流すのがコツ」と釣り歴50年以上の佐藤さん。

 女性の部は岐阜県土岐市の中島奈美子さんが24・2センチをヒットさせ、初V。この大会は10回以上来ており、入賞は3回ほどあるという。「今回は食い渋る中、共和橋下で掛けた。うれしいですね」とにっこり。子供の部では昨年準優勝した名古屋市の岩谷海和君(11)が初優勝した。「イワナも釣れたし、うれしい」。ご褒美にレストランでおいしいものを食べるという。父親もうれしそうだった。

 主な成績は次の通り。

 一般(1)32センチ佐藤禮二(岐阜県恵那市)(2)29・5センチ吹春吉男(岐阜県土岐市)(3)同、三品高広(岐阜県可児市)▽女性の部(1)24・2センチ中島奈美子(土岐市)(2)21センチ岩作里美(岐阜県養老町)▽子供の部(1)26センチ岩谷海和(名古屋市)(2)21・5センチ黒谷颯太(愛知県みよし市)

GFG中部大会

 ○…この日、「GFG中部渓流&ルアー大会」も開かれていた。17人の猛者が益田川漁協管内に散って大物を競った。愛知県瀬戸市の尾関富由さん(66)がイワナ31センチ、アマゴ23.7センチなどを上げて総合優勝した。

 尾関さんは、小坂地内の「小黒川」S字カーブ上流に入渓。イワナとアマゴ計26匹の釣果。「ほぼ天然だよ」と尾関さん。5.1メートルの硬調渓流竿に道糸・ハリス通し0.6号と0.4号の2パターンにアマゴ針7号に3号オモリを1〜3個か、アユ玉0.5号1個のちょうちん仕掛け。餌はミミズ。「流芯はみんなが釣っているから避けて浅い場所中心に狙った」

 アマゴの部1位は下呂市の益田川「六ツ見橋」で垂見力さんの24.1センチ、ルアーの部1位は山之口川「位山荘」下のえん堤付近で渡辺敦さんがヒットさせたイワナ30センチ。