白滝治郎の流れとともに(128)

 異常気象に伴う気候変動の影響か? 今年も春先の天気は安定しなかった。3月に入ってからも冬に逆戻りしたかのような寒い日が続いたかと思えば、時季外れの大雨で川が増水するといった状況で、筆者も4月12日の長良川本流で の釣りが初釣行となった。それまで「型は小ぶりだが数は出ている」という情報は耳にしていたが、実際に竿を出してみると、その通りで実に楽しい釣りができた。

 当日は弟子の鮎川ナオミさんと一緒に竿を出す予定だったが、少し遅れて来るというので、夜明けと同時に1人で先に釣ってみた。増水後の引き水で一番川(いちばんかわ=誰も竿を出していないサラ場の川)と条件が良かったことも相まって入れ食いの釣りを楽しむことができ、合流するまでの約3時間で30匹を超えるアマゴが釣れた。型は若干小ぶりで、成長具合は例年よりやや遅めかな? という感じだったが、魚影の濃さはバッチリ豊富だといった感触だった。当日のその後の様子は、本紙2日付に掲載された鮎川さんの記事に書かれていた通りだが、彼女も満足のいく釣行だったようだ。

 今年の長良川は以後も各所で好釣果の情報が聞こえてきている。5月に入ってアマゴも餌を飽食し、魚体も大きく、よりパワフルになってくる。釣趣も増して、渓流釣り師にとっては最高の時期を迎える。ここ数年、長良川のアマゴは、最新の知見を取り入れた増殖方法が功を奏してか、豊富な資源量に恵まれ好調な状況が続いている。

 一方、単独での釣行が多い渓流釣りは危険も多い。読者の皆さんも安全第一で最盛期のアマゴ釣りを楽しんでいただきたい。

 (岐阜県郡上市在住、隔週土曜日に掲載)