◇4日 春季高校野球滋賀県大会準決勝 八幡商1―3近江(大津市・マイネットスタジアム皇子山)

 八幡商は今春センバツ出場の近江に対して終盤の反撃も及ばず、決勝進出を逃した。プロ野球4球団のスカウトが視察するなか、最速144キロ右腕、田上航投手(3年)は先発して7イニングを6安打2失点、3奪三振、6与四球だった。

 田上は序盤、制球を乱した。初回は1死から四球も併殺で切り抜け、2回は2死から連続四球のあと、小学時代にスポーツ少年団でバッテリーを組んだ近江の河越大輝投手に右前安打されたが、得点は許さなかった。しかし、3回に四球からピンチを招くと、4番の箕浦太士左翼手に先制左犠飛、6番の市原悠希右翼手に左翼へ適時打された。

 「(近江に)通用した部分もあると思うんですけど、2失点したところは、相手は僕の真っすぐをバットを短く持ってつないできたりとか、そういうところは一枚上手というか、強さというのを感じたので、そこをかわせる変化球を身に着けたいと思います」

 大津市出身の田上は187センチ、90キロの大型右腕。1年秋から背番号「11」をつけてベンチ入りした。今大会は「10」。昨季のパ・リーグ新人王、オリックスの山下舜平大投手を目標にして「プロを目指しています」と話した。

 甲子園に夏7度、春7度出場している八幡商は2011年夏を最後に聖地から遠ざかっている。田上は13年ぶりの出場に向けて「スタミナをつけて、投球全体の精度を上げていきたい」と抱負を語った。