◇5日 「創刊70周年記念中日スポーツ賞 第53回竹島弁天杯」最終日(愛知県・蒲郡ボート)

 12Rで優勝戦が行われた。人気は1号艇の黒野元基に集まったが、6号艇の花田和明が前付けして深い進入に。3コースにじっくりと構えた柳沢一(43)=愛知=がコンマ14のスタートから鋭くまくり差して優勝。通算64回目、当地では11回目の優勝となった。2着に黒野、3着は大須賀友が入った。

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 狙い通りのまくり差しだった。特訓では2コース主張の構えも見せた柳沢だが、スタート展示、本番では前付けの花田に付き合わず、ゆったりめのスロー3コースを選択。「基本的にはあそこを狙っていました」と1Mで旋回が流れた黒野と差しに落とした花田の間を、ものの見事にズブリと差し切った。

 今節は自慢のスタートが切れ切れ。序盤から生命線の行き足が良かったのもあるが、初日、2日目と04、06、08、04とすべてゼロ台の踏み込みで4戦3勝。予選は2位通過となったが、それでも準優、優勝戦としっかりと勝ち切った。今年初、これで通算64回目の優勝だ。

 柳沢のすごさはそのスタート力もさることながら、継続するところにある。今回の優勝で当地では通算11回目だが、18年以来、7年連続で優勝の実績を積み重ねている。「それは知りませんでした。特別意識しているわけではないけど、常に考えているのは前回来た時より上へ、もっと良くしたいということ。それが結果につながっているのならうれしい」と笑みを浮かべる。

 そのもっと高みを目指す、注目の次回は1カ月後。当地ではGⅠ開設69周年記念が控えている。今回の相棒20号機と再度タッグを組みたいかと問われ、「もっといい足の人がいたんで、そっちがいいかも」と笑わせた柳沢だが、どのエンジンを引こうとも、そのあくなき探求心と向上心で、最高の結果を求めていく。