社会人野球の第76回ベーブルース杯争奪大会の決勝が5日、岐阜市の長良川球場で行われ、日本製鉄東海REX(愛知県東海市)が日本製鉄かずさマジック(千葉県)との”日本製鉄対決”を5―1で制し、初優勝した。今秋に京セラドームで開催される第49回日本選手権の出場権を獲得した。

 東海REXが予選リーグから無傷の5連勝で頂点に上り詰めた。4点リードの9回2死満塁のピンチを招いたが、最後は三ゴロに打ち取ると、マウンドで歓喜の輪をつくった。鈴木啓友監督(37)は5度宙を舞い、「選手に『痩せておいてください』と言われていたので、よかったです」と目を細めた。

 昨秋の新チーム始動から掲げてきたのは「守り勝つ野球」。準決勝はエースの吉川大翔投手(24)が完投し、決勝は5投手の継投で逃げ切った。鈴木監督は「大きな守備の乱れがなかったことが勝因だと思う」と分析する。守備の要を担う二塁手の古川竣内野手(25)が、同点の4回、左翼へ公式戦初アーチ。古川は「高めのスライダーに体が反応した。いい場面で打ててうれしい」と打撃でも貢献した。次は23日に開幕する都市対抗野球東海地区2次予選で、2大大会のダブル出場を狙う。

  ◇  ◇  ◇

 ○…日本製鉄東海REXの村越が1点リードの5回1死二塁に登板し、ピンチを火消し。1イニング⅔を投げて1安打無失点と好救援で、相手に流れを渡さなかった。代わりばなに四球を出すなど一時はピンチを広げたものの、「どれだけランナーを出してもゼロで抑える自信はあったので、思い切りよくいけた。日本選手権を決められてうれしい」と笑顔を見せた。