上り調子の名古屋グランパスのMF中山克広(27)がまな娘のために燃えている。開幕からしばらくは実力を発揮できず、メンバー外も経験。しかし、4月28日の浦和戦(埼玉ス)以降は復調し、翌29日には第1子となる女児が誕生。11日のG大阪戦(豊田ス)では自らのゴールで祝う決意だ。チームは9日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで非公開で調整した。

 「自分の中でつかみ始めたというか、整理がついてきた」。転機は4月17日にあったルヴァン杯2回戦・大宮戦(NACK5)だった。当初は1人でサイドの攻守を兼任するウイングバックの経験が浅く、守備面を意識するあまり「中途半端になっていた」。ポジションが低く、攻撃に絡めなかった。

 大宮戦を機に「高さのいいあんばいを見つけた」。本来の快足を生かした攻撃力が復活し、司令塔のMF森島との連係も取れるようになった。

 6日にあった広島戦(Eピース)への遠征から帰ると、妻子との暮らしが始まった。子どもについて聞かれると「かわいいですね」と満面の笑み。「頑張る源になる。走れますよね、子どものためを思うと」。まな娘に、G大阪戦で移籍後の公式戦初ゴールをささげる。そんな最高の青写真を描くだけの自信が、今はある。