WGP 第5戦 フランスGP ロードレース世界選手権 フリー走行 10日

ブガッティサーキット(ルマン) ペン&カメラ=遠藤智 

 モト2クラスを戦うMSIの小椋藍(23)が、初日のフリー走行を5番手で滑り出した。前戦スペインGP後の公式テストで転倒し、車体が真っ二つになるアクシデントに見舞われたばかり。今大会に完全な新車を用意してくれたチームに、好成績で恩返ししたい。モト3は、インタクトの鈴木竜生(26)が日本勢最上位の5番手発進。モトGPのフリー1回目では、プラマックのホルヘ・マルティン(26)=スペイン=が最速タイムを記録した。

入念にシート合わせ

 小椋は新車のシート合わせを入念に行ってからコースインし、最初のスティントから着実にペースを上げて最終的に5番手。シェークダウンを上々の結果で終えると、苦笑いを浮かべた。

 「(前日の9日に)サーキットに到着したら、本当にたくさんの人から『けがはなかったか?』『大丈夫か?』と声をかけられた。コースサイドの金網に引っかかったフロントフォークの写真がSNSに次々にアップされていたし…参った」

テストでマシン大破

 4月30日のヘレス公式テストで、他のライダーのライン取りを試していて大転倒。グラベルを滑っただけで、幸いにもケガはなかったが、もんどり打ったマシンは大破した。

支払った代償大きい

 「(オフィシャルの)エンジンは今大会が載せ替えのタイミングだったからよかったけど、車体もスイングアームも全部ダメ。かろうじてサスペンションは大丈夫そうだったけど、新品に」。前戦から変わった最新型をわずか1戦で壊してしまい、チームには1000万円を超える損害。今年初の転倒で支払った代償は大きかった。

 過去2戦は予選でミスを犯したため、決勝では後方からの追い上げを強いられた。第3戦アメリカズGPは17番手から7位、第4戦スペインGPも17番手から6位。レースペースは良かっただけに「2つとも好きなコースだったし、自分としてはもっと期待していた」と落胆を隠せない。

 今大会のルマンは「得意でも苦手でもないし、今まで表彰台に立ったことがないサーキット」だが、四の五の言ってはいられない。過去2戦の失敗を取り返し、チームの期待に応える好リザルトで、良いリズムをつかみたい。まずは予選に全力を注ぐ。