WRC 第5戦 ポルトガルラリー 世界ラリー選手権 DAY2(SS2〜9) 10日 マトジニョス

 今季初めてトヨタガズーレーシング(TGR)の4台目を駆る勝田貴元(31)が、目標の初優勝へ向けて奮闘した。本格的なグラベル(未舗装路)での戦いが始まる中、午前中は首位を快走。最終的にトップと僅差の3位につけた。チームはカッレ・ロバンペラ(23)=フィンランド=が首位に立ち、セバスチャン・オジエ(40)=フランス=が2位でトップ3を独占。勝田は表彰台の真ん中を目指し、同僚の新旧王者2人を追う。

 勝田は本格的な競技が始まった競技区間(SS)2でいきなりフルアタックを敢行し、ベストタイムを記録。SS3で首位に立つと、午前最後のSS5までトップを守った。午後の再走ステージで新旧王者のロバンペラとオジエにかわされたものの、差はわずかだ。

 「世界チャンピオンたちと戦うために全ドライバーがプッシュし、僅差の戦いが続いたので楽しい一日だった。リードしていた午前中より、ミスを減らすように心がけた午後の方がドライビングは改善できた。トップと差の大きくない3位だから、全体的には満足」

 今年のポルトガルは路面コンディションが比較的良好なこともあり、例年よりタイム差がつきにくい。DAY2を終え、6位までが18・1秒以内にひしめく大混戦。まだ上位陣のリタイアもない状況で、きっちり3位に食い込んだ勝田の健闘が光る。

 今大会最長となる37キロ超のステージが2本控えるDAY3に向けては、「コンディションが変わり、より厳しい戦いになると思う」と予想。初優勝の目標をかなえるため、乗り越えなくてはならない勝負のヤマ場を前に、グッと表情を引き締めた。

 2021、22年に連続4位の成績を残しており、ポルトガルとは相性が良い。今季初めてマニュファクチャラーズポイント対象外となったことも、これまでより少し気楽に走れるという意味では好都合か。最強チームメートコンビを向こうに回し、「運転を楽しみ、プッシュし続けたい」と腕をぶした。