◇12日 日本ハム6―5ロッテ(エスコンフィールド北海道)

 日本ハムは今季3度目のサヨナラ勝ちで、同一カード3連勝を決めた。

 「これが今年のファイターズ!」。2点ビハインドをひっくり返しての逆転サヨナラ勝ち。沸騰する本拠地のファンに向かって、劇的打を放った日本ハム・水野が叫んだ。土壇場でミラクルを起こしての同一カード3連勝で、貯金は最多タイの5に回復。試合がなかった首位ソフトバンクと4・5差ににじり寄った。

 直前の守りでは斎藤が押し出し四球を与え追加点を献上していた。ただ、ここで諦めないのが「今年のファイターズ」だ。失点につながる失策を犯していた先頭の郡司が左前打で反撃ムードを高めると、マルティネスがフェンス直撃の適時三塁打でまず1点。球場は一気に押せ押せムードになった。

 続く1死満塁の好機で、12日に34歳の誕生日を迎えた伏見が代打に立った。どちらかといえば「守備の人」の代打起用。これには伏線があった。試合前、新庄監督に「きょうはチャンスでの代打を頭に入れておいて」と勝負どころでの起用を予告されていた。

 「いい準備ができていた」と語る伏見が左前に同点適時打を放つと、前日から5打席連続三振していた水野が「何とかバットに当てて事を起こそう」と執念で右前にサヨナラ打を放った。

 用兵も的中しての劇勝に、新庄監督は「今日は立ちくらみがするので取材を受けられません」と広報を通じてコメントし、選手たちを立てた。伏見は「負けていても誰も諦めない。(日本一を経験した)オリックスのときと似たような雰囲気を感じる」。この勢いは、ちょっとやそっとで止まりそうにない。