将棋の藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠=に豊島将之九段(33)が挑戦する第82期名人戦7番勝負第4局が18日午前9時、大分県別府市の「割烹旅館もみや」で始まり、後手の藤井名人が26手目を考慮中に正午となり、昼食休憩に入った。2日制9時間の持ち時間のうち、ここまで藤井名人が1時間36分、豊島九段は1時間6分。

 豊島九段が初手で角道を開け、3手目に右の端歩を突く珍しい手順を見せると、本局に勝てば初防衛となる藤井名人はこの手の意味を探るように4手目に4分、10手目に8分と序盤から少し時間を使いながら、飛車先の歩を交換した後に豊島九段が角道を開けた歩を入手する「横歩取り」を選んだ。

 豊島九段が23手目に50分を使って角交換に出ると、手持ちの角を敵陣に打ち込んで藤井名人の手が止まり、昼食休憩となった。藤井名人は「冠地鶏の重ね丼」。豊島九段は「船盛定食」を注文、ともにかぼす緑茶をオーダーした。

 本局は19日夜に決着の見込み。両者は過去36局対戦し、藤井名人の25勝11敗。藤井名人がプロデビューした直後は豊島九段が6連勝したが、最近は藤井名人が12連勝中。タイトル戦では5度目の顔合わせで過去は藤井名人が番勝負4連勝。叡王、竜王を獲得、王位を2度防衛している。