◇18日 ラグビー リーグワン1部プレーオフ準決勝 埼玉20―17横浜(東京・秩父宮ラグビー場)

 2季ぶりの優勝を狙う埼玉(レギュラーシーズン1位)が横浜(同4位)に競り勝ち、26日に東京・国立競技場で行われる決勝に進んだ。

 接戦に決着をつけたのは、埼玉の背番号10の2度にわたる豪快な突破だった。

 最初は開始4分だ。埼玉SO松田力也はハーフウエー手前で相手DFに囲まれる苦しい体勢から強行突破。相手陣22メートル線付近まで前進し、CTBデアレンデにつないでWTB竹山が先制トライ。13―17と逆転された直後の後半19分は、中央付近でボールを持つと、相手DFが外側を警戒しているのを見て内側を突破。

 「外を攻めるプランだったけど、前が空いたので走りました」

 そのまま相手ゴール前までビッグゲインし、デアレンデが逆転トライ。少ないチャンスにトライを取りきり20―17とすると、残り20分は無失点で守り抜いた。

 昨季は決勝で東京ベイに15―17で敗退。松田は前半に正面のPGを失敗。「あの3点があれば勝っていたという思いは今もある」と振り返る。

 「気持ちが入りすぎてました。でもあれで、普段通りやればいいと学んで、W杯に向けて成長できた。今日は試合の一瞬一瞬を楽しめました」

 一昨季はけがで病室のテレビから仲間の優勝を見つめ、昨季は敗戦。苦い経験を経た司令塔が、自身リーグワン初の頂点に王手をかけた。