◇18日 ボクシング 128ポンド(約58キロ)契約10回戦(東京・後楽園ホール)

 日本フェザー級7位の中野幹士(28)=帝拳=がサタポーン・サアート(20)=タイ=に7回1分32秒TKOで快勝し、プロデビューから10連勝(9KO)を飾った。

 日本未公認のWBCアジア王座獲得経験がある強敵が相手だったが、初回から強烈な左ストレートを再三決め、優位に立つ。最後は左ボディでダウンを奪い、再開後にワンサイドになったところでレフェリーが試合を止めた。

 「めちゃくちゃタフな相手で、手応えのあるパンチを決めると一瞬目が飛ぶんですが、すぐに戻って振ってくる。どうやって止めようと考えていました。KOはうれしかったです。最後につながる左ボディは感触がなかったのでびっくりしました」と汗をぬぐった。

 アマチュアで国際大会を含め4冠を獲得した中野は、これで日本ランクとともに5位につけるWBOアジアパシフィックと、6位の東洋太平洋ランキングがさらに上がることが濃厚。地域タイトル挑戦が視界に入った。

 「雑になってもらわなくていいパンチをもらったり、インパクトの時に力を込めて相手の前進を止めたりができなかったので、そこは反省点です。ただ、今までの相手は一度倒すとそれで終わりだったのに、今回は立ち上がってきてくれた。それは何かうれしかったです」と、試合を振り返りながら多様な感情があふれたようで涙声になっていた。