ボクシングのヘビー級世界4団体統一戦が18日、サウジアラビア・リヤドのキングダムアリーナで行われ、WBA・IBF・WBO統一王者オレクサンドル・ウシク(37)=ウクライナ=がWBC王者タイソン・フューリー(35)=英国=に12回判定2―1で勝ち、ヘビー級史上初の世界4団体統一王者になるとともに、クルーザー級に続き男子ボクシング史上3人目の2階級での世界4団体統一王者となった。

 ウシクは身長191センチ、体重105・9キロ。フューリーは同206センチ、118・8キロと、軽量級なら“7階級差”にも相当する12・9キロもの体重差があり、事前の予想でもブックメーカーのオッズでも不利とされたが、試合開始から左ストレートを軸に積極的にプレッシャーをかけて主導権を握る。中盤はフューリーのボディに悩まされたが、一進一退となった9回に鋭いワン・ツーをクリーンヒット。

 完全に効いて足をふらつかせながらリングを左右に逃げ惑うフューリーを追い続けて強打を入れ、ついにダウンを奪取。超人的な回復力で知られるフューリーは立ち直ったが、ダウンの差が響いて115―112、114―113、113―114と小差判定で歴史的な偉業を達成した。

 ウシクはこれで最も人気のあるヘビー級で史上初の世界4団体統一王者に。各種パウンド・フォー・パウンド(全階級最強)ランキングでも、今月に米専門メディア「リング」で1位となった世界4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋)を抜いて1位になる可能性が極めて高くなった。(写真はAP)