◇18日(日本時間19日)カブス1―0パイレーツ(シカゴ)

 カブスの今永昇太投手(30)は地元のパイレーツ戦に先発。88球で7イニングを4安打無失点、7奪三振1四球という完璧な投球だったが、無援で土付かずの6勝目はならなかった。鈴木誠也外野手(29)は4打数無安打だった。

 地元中継局マーキーSNは、今永の投球フォームと直球を分析した。同局によれば、今永の直球はメジャー打者たちから『invisible fastball(見えざる直球)』と呼ばれているという。

 「直球で多くの空振りを奪い、打者のバランスを崩していますが、打者たちは『リリースの瞬間は見えるのにミートできない』と言います。多くの打者はタイミングが取れない要因として投球フォームの途中で一瞬止まる点を挙げています」

 メジャー通算84勝の元左腕で同局のデシェイーズ解説者は「バスケットボールの『ポンプフェイク』のようなものだね。打者は投手の体の動きに合わせてタイミングを取る。足を上げたから、しっかり構えて攻撃態勢を整える。投球フォームのトップで一瞬の静止があれば、リズムが取れなくなるんだ」と説明した。

 今永の直球は「ライジング・ファストボール」とも呼ばれる。メジャー投手の平均身長188センチに対し、今永は178センチと10センチ低い。そのため、直球のリリースポイント168センチも、メジャー平均より約10センチ低い。その低い位置から、平均2424回転(メジャー平均は2288回転)と高回転の直球を投げ込むため、打者からすると浮き上がるような軌道に見える。しかも、今永はその直球をストライクゾーンの高めぎりぎりに投げ込むコントロールがある。

 同局によれば、今永の「直球が平均より浮き上がる幅3・4インチ(約8・6センチ)」は、メジャー全体で3位。これを上回るのはベシア(ドジャース)の4・1インチ(約10・4センチ)と、クロフォード(レッドソックス)の3・6インチ(約9・1センチ)だけと説明している。(写真はAP)