◇19日 女子ゴルフ ブリヂストンレディスオープン最終日(千葉市緑区、袖ケ浦CC袖ケ浦C)

 1打差2位からスタートした竹田麗央(21)=ヤマエグループHD=が6バーディー、2ボギーの68とスコアを伸ばし、通算14アンダーの大会新記録(袖ケ浦CCにおける)で逆転優勝を飾った。4月のフジサンケイレディス以来4週ぶりの今季3勝目。2週後に初出場する全米女子オープンへ向けてもいい弾みになった。

 6週間で3勝。ものすごい勢いと迫力で竹田が新時代を築き始めている。それでも「今日は18番でガッツポーズしようと思ったんですけど…やりたい気持ちもあるんですけど」と照れ笑い。それぐらいできるようにならないと、という自負もあるらしいが「…出なかったです」。しおらしい。

 1打差を追って最終日をスタートしたが、序盤でほぼ勝利を決定づけた。1番でグリーン奥から10ヤードをチップインバーディーで滑り出すと、2番で1メートル、3番1・5メートルを決めて3連続バーディー。5番では10メートルのパットを沈め、6番は2メートル。6ホールだけで5つスコアを伸ばした。コース形状もあるが、単純計算では300ヤード超えのドライバーショットを連発。同組で回った河本が「すごすぎて(悔し)涙も出なかった。異次元のゴルフ。やばい」と舌を巻いた。

 7番ではティーショットが左ラフの木の後ろに止まり「130ヤードで枝がかかっていたので、木の上を行こうかなと思ったけど、ライもあまりよくないし、グリーン奥には行かせたくないので、6番アイアンで低く出してグリーン右手前に止めました」と竹田。そこからのアプローチもきれいに寄せ「今年はパーを拾える自分になりました」という成長ぶりを大ギャラリーに披露した。

 実家は熊本県合志市内の住宅街でゴルフショップを営むが、閉店後にも竹田が練習するボール音が近所に響いていたことも多かったとか。ショートアプローチのクラブフェースの使い方やパッティングなども、店内の試打コーナーを使って昼夜を問わずに練習してきた結果だ。

 後半は1バーディー、2ボギーだったが「初優勝してから自分のゴルフに自信が持てている」と落ち着いたプレーで決して動じることはなかった。

 次戦のリゾートトラストレディスを終えると27日に渡米し、自身初の海外メジャー・全米女子オープンに挑戦する予定。「アメリカに行くこと自体が楽しみ。どういう感じで、今の自分がどこまで通用するかを感じてきたい」という。