◇19日 米男子ゴルフメジャー第2戦 全米プロ最終日(米ケンタッキー州、バルハラGC)

 【ルイビル(米ケンタッキー州)テッド・ムース】久常涼(21)=SBS・HD=が5バーディー、1ボギーで2日連続の67をマーク、通算11アンダーの18位で終えた。同組で回った松山英樹(32)=レクサス=は71で、通算8アンダー、35位だった。2021年東京五輪金メダリストの30歳、ザンダー・シャウフェレ(米国)が65と伸ばし、大会記録の通算21アンダー。初日からの首位を守り切る完全優勝で、メジャー初制覇、ツアー8勝目を挙げた。

 世界のメジャーの舞台で、日本男子の現エースと次期エース候補が、初めて同組で回った。ともに優勝争いから離されていたが、日本のゴルフファンにとっては、注目の最終日になった。

 同組が決まった前日、久常のスマホに松山から「一緒だね」とラインで連絡があった。練習では何度か一緒に回っていたが、米ツアー9勝、メジャー1勝の11歳年上の先駆者は、久常にとって雲の上の存在だ。だが、次代の大物は、緊張感にしばられるどころか、わくわく感でいっぱいになった。「すごく楽しみでした。うまい選手と一緒に回ると、イメージがよくなる。すごく勉強になるだろうなと思って」

 プレーが始まっても、物おじすることはなかった。5番でショットを1・5メートルにつけ、6番は5メートルのパットを決め、7番では1メートルに寄せて、3連続バーディーを奪った。今持っている技術を、見せつけるように駆使。最終Rは松山を4打上回った。

 だが、プレー後は「内容的に、全く及ばなかった」と、謙虚だった。「松山さんは、めちゃくちゃうまい。やっぱり、世界のスーパースターです。自分はパターが入っただけ。ショートゲームの精度であったり、ゴルフの組み立て方が全然違う。(グリーンを外しても)そつなくパーを取れる位置に寄せてくる。そういうところが自分にはない」と振り返った。

 当面の目標は、パリ五輪に日本代表として出ること。世界ランクで各国上位2人までが出られるが、久常は松山、中島啓太に次いで3番手。次週から2試合、さらに全米OP予選会と、五輪に向けた闘いは続く。「残り期間は少ない。あと3試合ぐらですかね。目の前の試合に集中して、結果につなげたい」。次は松山と一緒に五輪に出る姿を思い描いている。