全米唯一の全国紙USAトゥデーは20日(日本時間21日)、米大リーグ機構が違法賭博容疑で調査を開始したブレーブス傘下3Aのデビッド・フレッチャー内野手(29)が、球界を永久追放される可能性を報じた。フレッチャーはエンゼルス時代の大谷翔平の元同僚。大谷の通訳だった水原一平被告と同じく、違法ブックメーカーのボーヤー氏を通じてギャンブルしていたと報じられている。

 同紙は賭博スキャンダルの新たな登場人物、コルビー・シュルツ元内野手(29)に注目した。「ESPNの報道によれば、シュルツは同じオレンジ郡で育ったフレッチャーと親友で、同じくボーヤー氏を通じて賭けに興じていた。フレッチャーは野球に賭けなかった一方、シュルツは賭けており、しかもフレッチャーの試合に賭けていたとされる」

 同紙は「野球界にとって悲惨な様相を呈することになるシナリオ」は「シュルツがフレッチャーから(意図的にしろ無意識にしろ)エンゼルス選手に関するインサイダー情報を得た上で、エンゼルスの試合に賭けていた。さらに最悪なことに、フレッチャーはシュルツと共謀し、賭けに応じて八百長していた」。これらはあくまで可能性だとしつつ、「もしそうならば、どちらのシナリオにしてもフレッチャーは球界を永久追放される可能性が高い」とした。

 水原被告は2021年に遠征先サンディエゴの宿泊ホテルで行われたポーカーゲームでボーヤー氏と知り合ったとされる。このとき同席していたことを認めたフレッチャーは「ボーヤーをイッペイに紹介したのは自分ではなく、自分の知り合いだ。ボーヤーとは一度ゴルフをしたことがある。ブックメーカーだとは知っていたが、彼を通じてギャンブルをしたことは一度もない」と語っていた。

 だが、17日のESPNによれば、フレッチャーはボーヤー氏を介して野球以外のさまざまなスポーツ賭博をしていたという。大リーグ機構は、選手や球団関係者が野球以外の合法賭博をすることは許可している。

 水原被告は当初、合法ブックメーカーを利用していたが、ボーヤー氏と知り合ってから『信用貸し』によるスポーツ賭博で約4100万ドル(約64億円)の負けを抱え、大谷の口座から約1700万ドル(約26億5000万円)を盗んだとされる。(写真はAP)