◇21日 春季高校野球東海大会決勝 中京大中京4―3菰野(長良川球場)

 中京大中京(愛知)が菰野(三重)を4―3で下し、20年ぶり7度目の春の東海王者に輝いた。6回に一挙4得点で逆転し、救援登板したエースの中井遥次郎投手(3年)がリードを守り切った。23年ぶりに決勝進出した菰野は初優勝を逃した。

 王者の称号を手にして、夏へ向かう。中京大中京は、県大会も含めて2020年秋の東海大会を最後に遠ざかっていた”タイトル”を久々に獲得。「夏を見据えて」と挑んだ今大会は、優勝を決めても静かに整列した。高橋源一郎監督(44)は「こういう試合をものにしないと夏に愛知を制することはできない」と収穫を語った。

 2点差から逆転し、逃げ切った。3回に先制を許し、5回にも1失点。なお1死三塁のピンチで中井が3番手で登板し、「もう1点やったらこの試合を落とす」と空振り三振と左飛で火消し。6回に3本の適時打とスクイズで一挙4得点して逆転すると、「最後は気持ち」とエースが9回まで投げて4イニング⅔を6安打1失点で締めた。

 今春の県大会名古屋地区二次予選では、東邦に0―7で7回コールド負け。県大会決勝では享栄に9回に勝ち越されて2―3で惜敗。2度の敗北でナインは「一球の重み」を痛感した。決勝では8回2死一、二塁で福田心穏(しおん)内野手(3年)が遊ゴロを倒れながら捕球して三塁へ投げて封殺するなど、一球への執念を随所で見せた。

 昨夏は愛知大会決勝で愛工大名電に1点差の惜敗。中井は「東海大会優勝で自信はついたけれど、本番は夏。去年は悔しい思いをしたので、絶対に甲子園へ行きたい」。「戦国愛知」を勝ち抜き、2021年春以来、夏は2017年以来7年ぶりとなる聖地を目指す。