京都府舞鶴市の冠島磯が5月から解禁し、良型のグレを求めて4日、会友の山井健一さん(52)と釣行した。結果、私には38〜42センチのグレ5匹、35、40センチの尾長各1匹が顔を見せてくれた。

 福井県高浜町の「でんぶく釣具店」で餌の購入と磯のくじ引きを済ませて午前6時過ぎ、同店を出発。舞鶴市の竜宮浜漁港から「浜垣渡船」で7時半に出船し、沓島6番に渡礁した。1年ぶりの釣行に胸を躍らせながら私は船着き、山井さんは5番側の釣り座で釣り始めた。

 私のタックルは竿1・5号5メートル、リール2500番、道糸1・75号、ウキB〜3B、ウキゴム、ハリス2号2ヒロ、グレ針4〜5号。餌はまき餌がオキアミ6キロ+集魚材2袋、刺し餌が加工オキアミだ。

 足元にまき餌を打つがエサトリの反応はない。潮は左から右へゆっくり動いている。タナ4ヒロで足元を狙うが、本命からの魚信がないので、竿2本先へ狙いを変える。すると、ようやく手のひらサイズのグレが当たり「よしこれからだ!」と気合が入った。

 このころから右からの風が少し強まり、表層の潮が滑り始めて本命の潮とは逆の左方向へ流れてしまう。道糸がふけてウキを引っぱり、まき餌との同調が難しくなってきた。投入した仕掛けの少し左側にまき餌を入れ、竿先を海中につけて道糸を沈ませながら仕掛けをなじませる。

 そうしてアタリを待っていると、ウキがスルスルと海中に沈んだものの途中で止まった。ウキと穂先が一直線になるように操作すると、さらにウキが海中へ沈み、見えなくなる手前でまた止まる。道糸を張りすぎないようにすると、スルスルッと海中へ沈み込み、道糸が走ったところで合わせを入れた。

 「よし来た!」。ガツンとした感触が伝わる。ギューンと竿を絞り込んで足元へゆっくりと寄ってくる。心地いい引きを堪能しながら竿のパワーで海面まで浮かせる。玉網に収めたのは第1号のグレ42センチ。同じように攻めて40、38センチの追加にも成功した。

 ところが、さらに道糸を引っぱる表層の滑りが強くなると、まき餌との同調が困難に。ウキをBから3Bに替えて仕掛けを安定させると、スルスルッといつものように途中までウキが入り、そこからちゅうちょなく一気に海中に消えた。バチバチと道糸が出るや否やリールのベールを起こし、竿を立てると強烈な引きが竿に伝わった。「これは大きい!」

 グングンと底へ引き込もうとするのを、竿をためて阻止する。少しでも引きが弱くなった時は、すかさずリールを巻く。足元の際まで引き寄せたところでピタッと動きが止まった。

 「しまった!」。磯際に張りつかれてしまったのだ。リールを緩めて穂先が少し曲がる程度で保持すると、運よく魚が出てきてくれた。ようやく姿を見せ、玉網ですくったのは40センチジャストの尾長グレだった。

 もう少し大物かと思ったので残念だったが、針をのまれてハリスもザラザラだったのに加え、尾長のパワフルな引き。これにも余裕で耐えてくれた愛用の糸に今回も救われた。

 山井さんは難しい潮に翻弄(ほんろう)されていたが、それでも38センチを2匹ゲット。午後4時に竿を納めて冠島を後にした。渡船料6500円。(問)でんぶく釣具店=(電)0770(72)3390▽浜垣渡船=(電)0773(68)0044

 (福井県敦賀市・前原弘和)