早朝はブルブル、昼は汗ばむ天候にアユもびっくりしたのか、場所むらの大きい解禁日となった。18日、恵那漁協(岐阜県中津川市)管内の付知川でアユの友釣りが開幕した。約580人が入川。いい人は50匹以上掛けたが、早朝の追いの渋さに、2ケタに届かず早じまいした人も出た。しかし、群れアユが各所で見られて魚影は濃く、好スタートを切ったといえるだろう。ブラジル人女性の岡崎ヘナタさん(43)は、並み居る男性を尻目に入れ掛かり2時間で42匹を仕留めた。水温が上昇、安定してくればますます期待できそうだ。 (東條敏明)

 午前5時ごろは寒くて震えたという人がほとんどだった。午前7時半の水温13度、9時には14度、11時半には16度と、照り付ける日差しとともに上がった。早朝から3時間ほどは追いが悪く、オトリをダメにして帰った人もいた。ほぼ平水、アカは腐り気味。

 昨季から友釣りの練習を開始した三重県鈴鹿市在住のヘナタさんは、水温が上がってきた8時半ごろ、「杉立」下流左岸に入川した。先週、恵那漁協が開いたビキナーズ友釣り体験会(本紙16日付既報)に参加した際、先生役となったトップトーナメンター島啓悟さん(51)と、釣り場に精通している横井克己さん(61)が指導に付き、瀬で入れ掛かりした。群れアユが相当いたという。10時半までの2時間で17センチ頭に42匹。周囲の男性陣がびっくりする断トツの釣果となった。

 「めちゃくちゃ楽しい。最高。先生がいいからね」と笑顔満開のヘナちゃんだった。「ガツンと来る手応えがたまらない。昼からもまだまだ釣るヨ」

 竿9メートル、水中糸複合メタル0・05号、6号4本イカリのノーマル仕掛け。竿を倒し気味に扇状に探ったという。ヘナタさんはYouTubeやインスタグラムも始めている。

 人気ポイント「島田橋」上下流には約80人の釣り人。橋すぐ上左岸にいたのは岐阜県各務原市の早川誠さん(64)。午前5時から始め、10時半までに10〜17センチを28匹。「朝はたるみでじっくり泳がせ、水温が上がってきた8時半ごろからは流芯の引き釣りで入れ掛かりもあった」

 竿8・5メートル、水中糸複合メタル0・05号、6・5号4本イカリに背針仕掛け。「今日が初釣り、いいスタートが切れた。これから楽しみ」

 同橋下流50メートル左岸には群馬県東吾妻町からはるばる下道を6時間走り、車中泊して挑んだ浦野忠さん(70)が、膝まで立ち込み、立て竿で石裏のヨレを中心にオトリを泳がせていた。5〜9時に11〜17センチを約30匹。

 竿7・2メートル、水中糸複合メタル0・05号、6・5号3本イカリに背針仕掛け。「ヨレ一面に群れがいて、日が差し込むまでの方がなぜか連続して掛かった。ラインにびりびり当たってた。今日の目標は50匹。朝まで寒かったが、水がきれいでそれだけでも楽しいよ」

 漁協によると、道の駅「花街道付知」裏下流で8〜18センチ20匹、「若宮大橋」下流で14〜18センチ25匹、10〜20センチ20匹、10〜15センチ51匹、「付知南大橋」付近で10〜18センチ52匹などの好釣果が出たという。放流は6000キロを予定し、そのうち湖産は1000キロ。大半の放流は終了し、残っているのは海産系の700キロで、6月と梅雨明け後に分けて行う。

 日券3500円、年券1万5000円。女性・身障者日券2000円、年券8000円、高校生以下無料。

 (問)恵那漁協=(電)0573(65)5118