F1 第8戦 モナコGP 23日

モンテカルロ市街地サーキット(3・337キロ) ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス

 上り調子のマクラーレンが、勢いを駆って伝統の一戦に挑む。モナコ6勝の歴代最多記録を持ち、チームの黄金期を築いたレジェンド、故アイルトン・セナさんに敬意を表し、黄と緑が主体の特別カラーリングを用意。前戦で僅差の2位となり、3戦連続表彰台を獲得しているランド・ノリス(24)=英国=は「先週は優勝争いができて爽快だった。僕らの力は大きく伸びているよ」と自信満々だ。没後30年を迎えたレジェンドにあやかり、モナコ制覇を目指して走る。

 マクラーレンが単独で、セナさん追悼を続行する。前戦エミリアロマーニャGPが開催された伊イモラサーキットは30年前にセナさんが事故死した場所だったため、全チームの選手やF1関係者らが総出で追悼セレモニーを実施。その次戦に特別カラーを用意した理由を、アンドレア・ステラ代表は「チームにとって、モナコはセナとともに勝利してきた特別な場所。表彰台を取りに来た」と説明した。

 前戦では、F1界を席巻する王者をあと一歩まで追い詰めた。予選はポールポジションを獲得したレッドブルのマックス・フェルスタッペンと僅差で、オスカー・ピアストリが2番手、ノリスが3番手。決勝でもノリスがフェルスタッペンとコンマ7秒差の2位でゴールした。

 今度こそ打倒フェルスタッペンを果たすべく、OBのレジェンドに力を借りる。セナさんは1988〜93年にマクラーレンで走り、3度の世界王者に。89年からはモナコ5連勝の偉業も成し遂げた。

 第6戦マイアミGPでキャリア初優勝を飾り、現在のグリッドで一番の勢いを誇るノリスは「僕らにとってセナをしのぶ特別なレースになる。特別カラーをまとって走るのが待ち切れない」とウズウズ。デビュー2年目のピアストリも「モナコの名人だったセナのカラーでモナコを戦えるのが誇らしい。チームの良い流れに乗り、好成績を狙えると思えてワクワクする」と口をそろえた。

 立ちふさがるフェルスタッペンは前戦で8戦連続ポールを獲得し、セナさんの史上最多記録に並んだばかり。ノリスは「モナコは(道幅が狭くて)抜きにくいから、予選がめちゃくちゃ大切。初日のフリー走行1回目から、全力で自信を積み上げていきたい」と意気込む。まずは予選が勝負。特別カラーをまとい、レジェンドの記録を守ってみせる。