中日新聞社と中日ドラゴンズOB会は27日、球団初のOB戦として7月25日開催する「中日スポーツ創刊70周年記念 DRAGONS CLASSIC LEGEND GAME2024」の追加出場選手を発表した。メンバーには「野武士軍団」の異名をとり、巨人とのし烈なV争いを制した1982年のV戦士が集結。またオールドファンには懐かしい島谷金二さん(79)、松本幸行さん(76)、正岡真二さん(74)の74年V戦士の出場も決まった。

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 どの声も明るく弾んでいた。「同窓会」と言ったのは宇野勝さん(65)だ。ヒーローたちが最高に輝いた82年といえば、宇野さんはプロ6年目の24歳。遊撃のレギュラーに定着し、初めて本塁打数を30本の大台に乗せた。「さすがに、もうバットに当たるかどうかわからないけど、思いっ切り振っていきます」と、かつての代名詞でもあるフルスイングを約束した。

 「1番・田尾」「2番・平野」の名コンビも再結成。「あのときのメンバーは、僕にとってかけがえのない仲間。また一緒にグラウンドに立てるのは本当にうれしい」と田尾安志さん(70)が言えば、現在は静岡県のクラブチームで監督を務める平野謙さん(68)も「いきなり走って肉離れしないように、ウォーキングだけでも続けますよ」と笑った。

 当時のMVP捕手・中尾孝義さん(68)は「ちょっと腰の方が悪くて」と言いながらも「みんなと野球ができるのが、すごく楽しみ」。今は母校の専大などで指導を続けており、36年ぶりのドラゴンズ“復帰”となる。

 82年は新人ながら二塁手としてリーグ優勝に貢献した上川誠二さん(64)も野球塾のインストラクターとして、今も野球に関わり続けている。「どれだけ動けるか分からないけど、しっかり準備し、頑張ります」と力を込めた。

 投手陣で追加発表された82年組は鈴木孝政さん(69)と都裕次郎さん(65)の2人。現役時代は球界を代表する剛腕としてならした鈴木さんは「ぶっつけ本番。人生で一番遅い球で勝負します」。この年、16勝5敗で最高勝率に輝いた都さんは「まだ2カ月あるので、壁当てでもやってボールの感触ぐらいは確かめておきます」と話した。

 また、巨人のV10を阻止した74年のV戦士の多くはすでに70代中盤から80代。それでもこの年、最多勝(20勝9敗)のタイトルを獲得した松本さん、三塁手としてウイニングボールを手にした島谷さん、華麗な遊撃守備でならした正岡さんの3人が出場する。

 引退後は完全に野球とは離れていた松本さんは「軽いキャッチボールや壁当てを始めたところです」。50年前、名古屋を熱狂させたレジェンドたちの懐かしいユニホーム姿も楽しみだ。