◇8日 広島1―3ロッテ(マツダ)

 上半身の疲労回復の遅れで15日ぶりの登板となったロッテの佐々木朗希投手が、前日の”ノーヒットノーランショック”を吹き飛ばした。2回に自身の暴投と一塁悪送球で1点を先制されたが、3回以降は6回まで三塁を踏ませぬ圧巻の投球。最速は157キロ止まりも、得意のフォークとスライダーで毎回の9三振を奪い、チームトップの5勝目(2敗)を挙げた。

 「(登板間隔が)空いていたので感覚自体は難しかったが、何とか抑えられて良かった。要所要所でいいところにいいボールがいったかなと思います」

 1度ローテを飛ばした不安に加え、初めて経験する不慣れなマツダスタジアムのマウンド。立ち上がりはいつも以上に制球重視で臨んだ。「マウンドにアジャストするまでは力の入れ方とか気を付けないと暴れてしまう。なるべくストライクゾーンで勝負しながら打たれてもいいかなと思って投げました」。マウンドの特徴をつかんだ3回以降は武器のフォークを全力で投げ込めるようになり、付け入る隙を与えなかった。

 ドジャース、ヤンキースなどネット裏で視察した大リーグ5球団の関係者の前での好投だった。佐々木は「(登録抹消は)体の感覚が良くない中でのトレーナーと首脳陣の判断だった。僕は投げるつもりでいましたし、全然疲れていたわけではないので。またここからしっかり投げ続けていきたい」。軸としてローテを守り続ける覚悟だ。