◇16日 オリックス4―5ヤクルト(京セラドーム大阪)

 オリックスは抑え右腕のアンドレス・マチャド投手が崩れ、逆転負けで交流戦を終えた。

 「仕方ない、では済まないんじゃないですか。走られているわけですから。そういう隙があるということ」と中嶋聡監督(55)は険しい表情で振り返る。

 2点リードで迎えた9回。160キロを超える剛球にチェンジアップを武器にするマチャドは、先頭の村上をチェンジアップで見逃し三振に仕留めたところまでは良かったが、打率リーグトップのサンタナに左前安打され、代走の赤羽にすかさず二盗された。そして打点リーグトップのオスナが三塁線への内野安打で1死一、二塁。ここで山田に右前へ落ちる適時打、さらに代打の青木の遊ゴロで同点とされ、青木にも二盗を許した。武岡には右翼線へ勝ち越しの二塁打。マチャドは機動力を絡めて崩され、交流戦の初失点、初黒星(今季2敗目)を喫した。

 その一方で、先発の軸となるひとりが帰ってきた。約2カ月ぶりに戻ってきた山下舜平大投手は、自己最速タイの160キロ直球にフォークがさえるなど5イニングを無安打1失点、9奪三振と復調を示した。「手探り」で送り出した中嶋監督は「勝ちがつかないと悶々(もんもん)とするものであると思いますし」と白星が消えたことを残念がるものの、リーグ戦の再開へ向けて大きな収穫となったはずだ。

 オリックスは昨年の11勝7敗には及ばない10勝8敗。勝ち越したとはいえ、厳しい状況を劇的に改善することはできなかった。首位ソフトバンクには13ゲーム差。交流戦開始前より2ゲーム広げられたからだ。中嶋監督が「チームとして上がっていくうえで、後ろでモタついたりしている分、落ち着いてこないですよね」と不満げだったのも当然だろう。