◇2日 巨人1―2中日(松本)

 会心のスイングで”地方の鬼”を退治した。1点を追う5回1死二塁。打席には福永。1ボールからの2球目。巨人先発・山崎伊が投じた142キロ内角シュートを完璧に振り抜いた。打球は左中間席に一直線で飛び込む2号2ランだ。75試合目にしてチーム初の逆転本塁打。今季地方球場で4勝負けなしだった右腕に土をつけた。

 「しっかりとスイングすることができました。感触もとてもよく、逆転できたことがうれしいです」。標高641メートルとプロ野球の公式戦が行われる球場の中で最も高い場所にあるセキスイハイム松本スタジアム。標高が高く空気の密度が低いため、打球がよく飛ぶとされる”バッターズパーク”。持ち味の力強い打球をかっ飛ばした。

 じわじわと追い詰めた。山崎伊とは今季5度目の顔合わせ。一度も黒星を付けていない天敵攻略のため、竜打線徹底したのは積極打法としつこさの両立。1巡目は犠打を試みた木下を除く8人中5人が初球攻撃。一方で低めの誘い球を見極め、球数を稼いだ。右腕が5回のマウンドに上がったときの球数は83。体力と集中力を削り、逆転に持ち込んだ。

 全ての流れをつくったのも福永だ。「(山崎伊は)制球がいい投手。簡単にアウトを与えないように」。初回先頭で、初球の外角高め144キロを振ってファウル。攻めの姿勢を見せながら、粘る。中飛に倒れたものの、いきなり9球を投げさせた。和田打撃コーチは「初回の福永がいい流れをつくってくれた」と働きぶりを褒めた。