SBIホールディングスは28日、2021年3月期決算を発表した。仮想通貨（暗号資産）関連事業の税引前利益は、相場の活況によって、前年度比で100億円以上の増加となった。

仮想通貨関連事業の税引前利益は約189億円となり、前年度比で2.1倍となっている。SBI VCトレードやTAOTAOといった取引所事業や、マイニング事業を行うSBIクリプトのどちらも好調だったようだ。

セキュリティトークンのPTSを計画
また4月1日に三井住友フィナンシャルグループとともに設立した大阪デジタルエクスチェンジについては、2023年以降にセキュリティトークンのPTS（私設取引システム）を開業するとも説明している。

決算説明資料によれば、「今後海外で創設されるであろうセキュリティトークンの流通市場との連携も視野に」入れるという。

セキュリティトークン市場を整備することで、「企業にとっては新しい資金調達の選択肢となり、アクセラレーターの機能を担えば日本の資本市場の厚みにもつながる」とSBIは述べている。

シンガポールでのデジタル資産取引所
さらに、SBIでは、スイスのSIXデジタルエクスチェンジとともに、シンガポールを拠点とするデジタル資産取引所の設立を目指すとしている。

SBIとSIXとの間で2021年にシンガポールにおいて合弁会社を設立して業務を開始し、2022年に正式サービスを開始する計画だ。

「特に富裕層や機関投資家向けのノウハウに長けているSIXグループとの協業を通じてデジタル資産の流動性と機関投資家向けのサービスの更なる拡大を目指す」という。

SIXに加え、欧州で提携しているドイツのベールゼ・シュトゥットガルト・グループとも協力を深め、デジタル資産取引所の相互接続を行い、「世界最大級のデジタルアセット取引所を目指す」としている。