イーサリアムクラシック(ETC)は、3月下旬に始まったパラボリックな上昇を維持し続けている。

仮想通貨市場データアグリゲーターであるコインゲッコーによると、ETCは記事執筆時点で過去24時間で約17%上昇、過去7日間では150%以上上昇と、時価総額20位以上では最も高騰している。

時価総額で17位付近にあるETCは、現在90ドルを超える史上最高値を記録した。

現在のこの値動きの理由としてまず考えられるのは、2021年第1四半期末以降のETCのポジティブなパフォーマンスが継続していることだ。

既報のように、イーサリアムクラシックやビットコインキャッシュ(BCH)など、主要通貨からフォークした資産が大きな上昇を見せていた。ETCは、2016年7月に起きた自律分散組織(DAO)の失敗を是正する際に、コミュニティの意見の相違からイーサリアムのハードフォークの結果として生まれたものだ。

ETCは、人気取引アプリ「ロビンフッド」で購入できるため、個人投資家の間でも注目を集めている。グーグルトレンドのデータによると、オンライン検索量は増加傾向にある。

イーサ(ETH)が史上最高値を更新し、初めて3,000ドルを超えたことも、個人投資家の盛り上がりにつながっているのかもしれない。実際、ソーシャルメディアでは、ETCの新規保有者が「グリーン・イーサリアム(ETCはイーサリアム緑色をアイコンとしている)」として、ETHに代わる安価な選択肢と捉えていることが指摘されている。

また、ETCは年初来の値動きでETHを3倍以上も上回っている。

グレイスケールはイーサリアムクラシックの保有率を高めているため、ETCの購入に熱心な投資家は個人トレーダーだけではないだろう。グレイスケールのイーサリアムクラシック投資信託は現在、約7億1160万ドルの運用資産を保有している。

2021年のETCのこれまでのポジティブな価格パフォーマンスは、2020年にセキュリティ問題に悩まされたプロジェクトにも救いの手を差し伸べているように見える。ETCは昨年、複数の51%攻撃を受け、数百万ドルのETCがプロジェクトから吸い上げられた。

特にビットコイン(BTC)が低迷している中、ETC、BCH、ドージコイン(DOGE)などが大幅に値上がりしていることから、アルトシーズンの季節が到来しているようだ。ビットコインの時価総額のドミナンスは、2018年7月以来の低水準となっている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン