ビットコインが環境に悪影響を与えるというニュースが相次ぐ中、ビットコイン投資家や支援者のグループが、クラウドファンディングでFUD(恐怖・不安・疑念)対策のドキュメンタリー映画製作を計画していることがわかった。

投資家兼ポッドキャストの司会者、そしてビットコインの熱狂的なファンであるブラッド・ミルズ氏がツイッターで発表したこの映画の目的は、「ビットコインが政府よりも早く世界を再生可能エネルギーに移行させる理由」を論証することにあるという。

ミルズ氏が選んだ監督は、『STEAL THIS FILM』で知られるジェイミー・キング氏。STEAL THIS FILMは、P2Pファイル転送プロトコルであるビットトレントに関するドキュメンタリーだ。キング氏は、コインテレグラフのインタビューで、ビットコインのエネルギー消費に関する話題が監督を引き受けた動機になったという。

「アイデアはビットコインのエネルギー使用量に注目が集まっていることから生まれた。イーロンが当面の間、テスラ車購入にBTCを受け入れないと発表したことで、再生可能エネルギーの問題が注目されているが、これもまた、ますます激しく繰り返されている"FUD”のひとつだ」

先週、イーロン・マスク氏は、テスラ車の支払いにビットコインを受け付けないとツイートした。この発言は主要メディアでも大きく反響を呼んだ。

しかし、ビットコインがどれだけ「汚い」エネルギーを消費しているかを具体的に計算することは難しく、中国の消費量を基にした試算でも、大まかなイメージしかつかめない。

ただ、キング氏と映画スタッフは、ビットコインがクリーンでグリーンな技術であると主張しているわけではない。

「ビットコインがエネルギーを使っていることを認識することは重要だ。多くのエネルギーを使っている。それがデザインの一部なのだ」とキング氏は言う。

「私たちが問うべきは、それに見合う価値があるのかということだ」

キング氏は、この「見合う価値」について反射的に「ノー」と答える人は、しっかりと調査していない可能性が高いとし、「より広い社会的、政治的、経済的な文脈において」ビットコインのエネルギー消費は自明であると述べた。

これまでのところ、クラウドファンディングについてコミュニティは良好的な反応を示し、わずか48時間で0.5BTCを調達。またキング氏は、プロジェクトがライトニングネットワークを使った寄付に対応した後、小口の寄付が増えたという。

「嬉しいことに、少額のビットコイン寄付にライトニングは非常に有効的だということが分かった」

キング氏の目標は、FUDを唱える人たちにただ反論することではなく、教育することのようだ。

「単に『エネルギーの無駄』という意見に反論するだけでなく、ビットコインの素晴らしさを人々に伝えられるような作品を作りたいと思っている。より高い目的を持ったFUD潰しだ!」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン