ロシアのプーチン大統領が、2013年から同国に居住していた米国国家安全保障局の内部告発者エドワード・スノーデン氏に市民権を付与したと報じられた。

ロイター通信の26日の報道によると、プーチン大統領は、ロシアにおけるスノーデン氏の法的地位を、永住権者から市民権者に事実上変更する法令に署名した。スノーデン氏は、数千の機密文書をジャーナリストにリークした後、米国から亡命しているが、仮想通貨やブロックチェーン技術に加え、国家安全保障などの問題についても講演を続けている。

ロシアではプーチン大統領が仮想通貨の使用を抑制するような立法措置(7月の法律でデジタル資産の支払いとしての使用を禁止するなど)をとっているが、スノーデン氏はビットコイン(BTC)などの仮想通貨の利点について頻繁に発言している。現在はロシア国籍のスノーデン氏は、2019年にNSAリークの悪名高い文書を公開したサーバーの支払いにBTCを使用したことを明らかにし、4月にはプライバシートークンであるジーキャッシュ(ZEC)の作成に極めて重要な役割を果たしたと述べた。

「スノーデンは裏切り者ではない」と、2017年の映画監督オリバー・ストーンとのインタビューでプーチン大統領は語っている。「彼は自国の利益を裏切ったわけでもなく、自国民に損害を与えるような情報を他国に移したわけでもない(中略)。ただ彼は(NSAの機密を)漏らしてはいけなかったのだ。私は、彼がしたことは間違っていたと思う」

スノーデン氏は、米国に帰国した場合、司法省からスパイ行為に関連する告発を受ける可能性がある。プーチン大統領がスノーデン氏に市民権を与えた理由は発表時点では不明だが、ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う米国などによる経済制裁で、米ロは不安定な外交関係に直面している。プーチン大統領は、ロシアを率いる上でより独裁的な役割を担っていると批判されているが、それとは対照的に、スノーデン氏はしばしば政府の行き過ぎの危険性と監視の必要性について発言している。

「あなたが米国にいようが、ドイツにいようが、ロシアにいようが、中国にいようが、政府がより多くのことをしているのを見るのは世界的な傾向だ。テクノロジーは既存の権力を拡大する役割を果たすため、彼らはより大きな能力を持つようになった。テクノロジーは既存の権力を拡大するものだから、より大きな力を発揮することができる。彼らはその影響力を利用して、自国内だけでなく世界規模で行動し、競争しようとしている。そして今、これらのレバーが互いに押し合い、世界中で問題や紛争を引き起こし始めている」