長野県松本市郊外にあり、奈良時代の開湯と伝わるいで湯の里・美ヶ原温泉。松本民芸家具とジャズの調べが迎えてくれる「旅館すぎもと」は、かけ流しの温泉とともに山里の幸をふんだんに取り入れた創作料理が楽しみな宿です。ご主人自らが手打ちする、お蕎麦もぜひ味わってみてください。

「日本書紀」にも登場する歴史ある温泉街

JR松本駅から路線バスで約15分。標高約700mの高原に広がる美ヶ原温泉の歴史は、1300年前の奈良時代にまでさかのぼります。日本で最初の歴史書「日本書紀」に登場する「束間の温湯(つかまのゆ)」がこの温泉と伝わり、江戸時代には松本を納めた歴代城主の保養地として親しまれました。現在でも10数軒の温泉宿が軒を連ねる温泉街で、松本らしい民芸風の宿として人気なのが「旅館すぎもと」です。

松本民芸家具&ジャズの調べがお出迎え

心のこもったおもてなしが評判の「旅館すぎもと」は、特に温泉好きな女性リピーターが多いことで知られた宿。信州らしい白壁に黒い梁が美しい木造建物の暖簾をくぐると、温かみのある松本民芸家具が置かれた空間が広がります。

シャンデリアが揺れ、アンティーク家具があるラウンジの一角に置かれたスピーカーから流れてくるのは、しっとりとしたジャズの調べ。さまざまなテイストがミックスしながら、とても心地よい空間を作り上げています。バーコーナー、読書におすすめのスペースもあり、思い思いの場所で寛げますよ。

趣きの異なる客室から、お気に入りの1室を選んで

全17ある客室は、民芸調、囲炉裏付き、ロフト付き、隠れ家風のツインルーム、ヒノキ風呂付きなどすべて趣向が異なり、予約時にお好みから選べます。
北アルプスが一望でき、ロマンティックな猫足のバスタブがあるお部屋は、女性やカップルに人気。また、農家をイメージした囲炉裏付きのお部屋は4人から最大6人で滞在でき、家族連れやグループにおすすめ。囲炉裏を囲んでおしゃべりできるのがいいですね。

ひとりでは利用しにくいイメージがある温泉旅館ですが、このお宿にはダブルベッド仕様のこじんまりとしたお部屋があり、おひとりのおこもりステイもできますよ。

敷地内からこんこんと湧き出す“美肌の湯”に癒されて

敷地内の源泉から湧き出るお湯は肌にとても優しく、“美肌の湯”と呼ばれるアルカリ性単純温泉。女性用浴室には、木曽五木(きそごぼく)に数えられるとヒノキ、サワラ、アスナロなどが使われ、湯の香とともに爽やかな木の香りに癒されますよ。 

貸し切り利用できる露天風呂も2カ所あります。予約の必要がなく、24時間先着順に利用できるお風呂は源泉かけ流し。しかも無料というのがうれしいですね。予約制の露天風呂は、寝ころびながらじっくりと温まれる造り。こちらは30分2000円です。

信州の山の幸を使った料理は、日本酒とのペアリングが◎

夕食のメニューは、地元信州の食材を使った会席料理。なるべく手をかけず、素材そのものの味わいを楽しめる内容です。信州名物の馬刺し、採れたてのキノコや山菜、季節の釜めしなどが並び、ぜひとも試してみたいのが日本酒とのペアリング。地酒のほか、館主厳選の利き酒セットもありますよ。

宿の名物が、館主が手打ちする蕎麦粉100%の手打ち蕎麦。1日限定10食で、夕食時の先着順です。蕎麦打ち風景を披露しているので、夕食前にのぞいてみてはいかがでしょうか。

松本を代表するスポット散策も楽しんで♪

温泉と山里の料理を満喫したら、松本らしいスポットも訪ねてみましょう。宿から車で5分の場所にあるのが、土蔵造りの「松本民芸館」。職人たちによる手仕事の日常品約800点が展示され、素朴ながら美しい手仕事に魅了されます。国宝「松本城」までは、車で10分ほど。すぐ近くには、令和になって国宝に指定された「旧松本開智学校」があります。素朴な温泉宿とともに、民芸の街・松本を楽しんでみてはいかがでしょうか。