スイーツプロデューサー・磯崎 舞が、日常に寄り添うおやつから贈り物にも選びたくなる焼き菓子を紹介する連載『#焼き菓子部』。秋の味覚といったら外せないのは、栗や芋のスイーツ。焼き菓子の滋味深い味わいと相性がよく、ほくほくした食感や甘さが引き立てられ、“食欲の秋”を満たしてくれますよ。今回は「CINARIS(シナリス)」の焼き芋のガレットをご紹介します。

茨城県産素材と確かな技術がかけ合わさったパティスリー

「シナリス」のオーナー・吉成 隆宏シェフは、埼玉県さいたま市にある有名パティスリー「ACACIER(アカシエ)」でスーシェフを務めた腕利きのパティシエ。地元・茨城県に戻り、2021年10月に水戸市に開業を果たしました。果物や野菜など全国でも指折りの生産地である茨城県の素材を取り入れ、四季折々さまざまなスイーツを展開。今回ご紹介する焼き芋のガレットは、茨城県産の⁡紅はるか、茨城県産の小麦粉・ゆめかおりを使っています。

フランス伝統菓子をアレンジして新しいおいしさを開拓

箱を開けるとバターの良い香りが鼻腔をくすぐり、ダイナミックな曲線模様に思わず息をのみます。このパイは、ガレット・デ・ロワというフランス菓子を独自にアレンジしたもの。基本的にガレット・デ・ロワは新年に食べられるものですが、パイ菓子を得意とする吉成シェフは「パイのおいしさを最もストレートに表現できる」と思い、開業前から通年販売する構想を描いていたのだとか。伝統に敬意を払いながらも茨城県産素材を用いて作られるガレットは、他にはないオリジナリティーが光ります。

こだわりのサクサクパイに熟成焼き芋がねっとり

ナイフを入れると折り重ねられたパイがザクっと音を立てて崩れ、中からは黄金色の紅はるかが顔を覗かせて心躍ります。ひと口ほお張ると、サクサク軽やかにパイがほどけ、バターの芳醇な香りが口の中に充満。焼き芋にして甘味を凝縮させた紅はるかとマルコナアーモンド使ったアーモンドクリームが一体になると、ねっとりと濃厚で幸福感は絶頂に。

パイ生地に茨城県産の小麦粉・ゆめかおりを使っているのも、吉成シェフの強い想いがあります。食感や歯切れが理想とは程遠くパイ生地には向かない小麦粉だと最初感じたものの、熱を加えた際の香りや旨味が気に入ったそう。水分量や製法を試行錯誤してやっと理想に近づき、今もなお改良を続けています。

オンラインショップで注文すると同時に焼き上げ、賞味期限は発送日を含めて3日間となります。到着してすぐはパイのサクサク感を楽しめ、時間をおくと馴染んでお芋の甘味が際立つように感じられますよ。素材のポテンシャルを最大限に引き出し、ギュッと詰め込んだパイをお試しください。