1893(明治26)年の創業以来、四季の移ろいを大切にしながら京菓子づくりを続け、茶の湯の世界でも親しまれてきた京菓子司 末富。2023年5月10日、「もっと気軽に、多くの人にお茶時間を届けたい」と、新ブランド「SUETOMI AoQ(青久)」のカフェスタンド「SUETOMI AoQ Cafe Stand」を烏丸松原の本店そばにオープンさせました。末富の真骨頂であるあんを使った、ここだけ!のドリンクやサンドイッチが気軽に楽しめると話題を集めています。

ブルーグリーンのベンチが目印

地下鉄五条駅から徒歩4分ほど、烏丸通と松原通の交差点北西角に緑青色のベンチを備えたカフェスタンドが佇みます。AoQという名前は、「末富ブルー」と称されるブランドカラー「青」のみずみずしさを忘れずに幾久しく挑戦を続けていきたい、という想いを込めているそう。ブランドディレクションを手がけるのはGRAPH の北川一成氏。一見木製に見える外壁には、時の移ろいを表すため、経年変化する胴素材を使っています。

末富のあんを使ったメニュー

こちらには、末富の上生菓子に使うのと同じ極上の粒あんやこしあんを使ったメニューがスタンバイ。「あんカフェオレ」は、あんとの相性を考えぬいて特別にブレンドしたというコーヒーがベース。砂糖の代わりにのどごしのよいやわらかさに整えたあんを合わせているため、飲むと奥ゆかしい甘さのあんがさらさらとほどけていきます。

「生ハムとチーズのあんカスクート」は、表面はパリッ、中はモチッとしたパン「チャバタ」に、末富の粒あん、北海道産のクリームチーズ、そしてスペインの定番「ハモンセラーノ」の生ハムをサンド。意外な取り合わせに驚かされますが、食べてみると不思議! マッシュポテトのようにホクホクとした粒あんの甘さと生ハムの塩気が調和していて、新感覚の味わいです。

ほかに、スタンダードなコーヒー、カフェオレや、あんと合わせたときのことを考えてほどよい甘さに仕上げたというフィナンシェもあります。カフェスタンドのメニューはキャッシュレス決済のみなのでご注意を。

AoQの商品をおみやげに

スタンドのベンチでほっとひと息ついたあとは、ぜひ西へ徒歩1分の場所にある末富の本店へも立ち寄って。AoQの商品は店頭に並んでいませんが、お店の方に伝えれば購入することができます。

ひと口サイズで食べやすい「AoQのチョコふやき」は、お餅で作る伝統菓子「麩焼きせんべい」を、抹茶、ダーク、ミルク、ホワイトの4種のチョコレートでコーティングした和洋菓子。チョコレートの芳醇な香りとなめらかな口どけ、麩焼きせんべいのサクッとエアリーな食感が心地よく、ついもうひとつと手が伸びます。ほかにスタンドでも販売しているフィナンシェを、粒あん、こしあん、味噌あんの3種のあんと合わせて楽しめるセットも。

今後は、さらに新しいメニューも登場予定なので目が離せません。
創業130年の老舗京菓子店が生み出した新しい味わいのドリンクやスイーツで、気軽にお茶時間を楽しんでみてはいかが。