山本美月、“モデル上がり”に葛藤しつつ一歩ずつ上る女優の階段

山本美月、“モデル上がり”に葛藤しつつ一歩ずつ上る女優の階段

 「最近、人の意見がちゃんと染みるようになってきたというか(笑)。昔は『私は私だし』みたいな感じだったんですけど、ようやく受け入れられる自分になってきました」。そう明かすのは、女優・モデルの山本美月だ。6月21日公開の映画『ザ・ファブル』で、家族のために健気に働くヒロインを演じた山本に、ファンの声を通じて成長を実感した出来事や、女優業に対する向き合い方が変わったきっかけなどを語ってもらった。

 裏社会における伝説的殺し屋・ファブル(岡田准一)が、一般社会に溶け込むために大阪へ移り住んだことを機に、暴力団の抗争に巻き込まれるさまを、激しいアクションとともに活写する本作。ファブルがデザイン事務所で一緒に働くミサキ役の山本は、役柄に感じた魅力を「けがれがないというか。病気の母のために頑張っている真っ直ぐさ」と語る。

 撮影中は仕上がりのイメージが湧かなかったというが「とてもおしゃれな映画になっていたので、こういう感じになると思っていなかったなという意外性がありました」と言い「もうちょっと男臭く、泥臭いモノになると思っていた」とも。「現場がすごく熱くて、皆が頑張って作っていたのもあるんですけど、あまり蒸し暑さを感じさせないというか。熱さというよりは、ちょっとひんやりという感じ。青味がかっているというか、その感じがちょっと不思議でした」と頬を緩める。

 劇中では、ファブルがミサキをはじめとする周囲の人々の助けを借りながら一般社会に適応していく。学生時代は演劇部だった山本は、モデルとして芸能界デビュー。その後、女優業に進出したが、その適応過程は決して平坦ではなかったそうで、葛藤は今なお続いているとのこと。「モデル上がりだって、今も言われます。評価されていないと、今まだ感じますね」。

 しかし、自分を応援してくれるファンの声に励まされた。「『お芝居を見て好きになった』って言ってくださる方もいらっしゃいます」と笑顔を見せる。「最初の頃は『桐島、部活やめるってよ』が、世にすごく広まって、そこから好きになりましたという方が多かったんですけど、握手会をさせていただいたときに“『刑事ゆがみ』を見て好きになりました”とか“『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』を見て好きになりました”とか、後々の作品から好きになってくれる方も多くて。少しずつだけど、階段を一歩ずつ上がっているなという気はします」。

 最近では『モンテ・クリスト伯〜』の西谷弘監督との出会いも大きかったという。「『小さな妥協、大きな収穫』という言葉をいただいて。すごく染みるというか…私はとっても頑固なので、たった一言ごめんなさいと言うだけで、すごく大きな収穫があるのに、ちゃんと謝れてなかったりとか、変にプライドを持っていたりする自分はよくないなって、最近思います。自分よりも年上の方と話していると、そういうことに気づかされますね」。

 そんな山本が、今後のキャリアを歩んでいく上で目指すものとは。「明確な評価を得たいという思いも、もちろんありますけど、自分なりの幸せを築けていけたらいいなと思っています。仕事も、プライベートも。楽しいって、そのときに思えていればいいかなって思うので。余裕を持った、いい大人になりたいですね」。(取材・文・写真:岸豊)

 映画『ザ・ファブル』は6月21日全国公開。


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