主演に西島秀俊を迎え、村上春樹の短編小説を映画化した濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』より、予告が解禁された。

 原作は、妻を失った男の喪失と希望をつづった村上春樹の短編小説『ドライブ・マイ・カー』。この作品に惚れ込み自ら映画化を熱望し、脚本も手掛けるのは、商業映画デビュー作にしてカンヌ映画祭コンペティション部門に選出された『寝ても覚めても』、ベルリン映画祭で銀熊賞(審査員大賞)受賞という快挙を成し遂げた短編集『偶然と想像』、さらには脚本を手掛けた黒沢清監督作『スパイの妻』がヴェネチア映画祭銀獅子賞に輝くなど、国際的な舞台で快進撃を続けてきた気鋭の濱口監督。

 キャストは、西島が愛する妻を失った舞台俳優の家福役で主演し、喪失を抱えながら希望へと一歩を踏み出していく主人公の心の機微を繊細に表現。そのほか、本作のヒロインで寡黙でありながら芯のある女性ドライバーのみさき役を、歌手としても活躍する三浦透子、物語を大きく動かすキーパーソンの俳優・高槻役を岡田将生、家福の妻・音役を霧島れいかがそれぞれ務める。

 舞台俳優で演出家でもある家福悠介は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーのみさき。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。

 今回解禁されたのは、家福の愛車である真っ赤なサーブをめぐって展開する、30秒の予告編。幸せそうに見える夫婦生活から一転し、最愛の妻を失い喪失感を抱えている家福(西島)と、ある過去をもつ専属ドライバーのみさき(三浦)が海辺で車を走らせているシーンが映し出される。普段は寡黙ながら「あの車が好きです。とても大事にされているのが分かるので」と、家福の心に寄り添う言葉を放つみさき。徐々に孤独をわかちあっていく二人の関係を予感させる。

 映像にはさらに、「僕が音さんから聞いた話をしてもいいですか」と、かつて音と交流があったことを匂わせる俳優の高槻(岡田)も登場し、物語に奥行きを与える。果たして、家福とみさきが愛車サーブで走るその先には何が待っているのか。広島の美しい海辺のロケーションも相まって、ロードムービー感が漂う予告編に仕上がっている。

 映画『ドライブ・マイ・カー』は、今夏全国公開。