世界的なホテリエとともに提案する、新スタイルの旅館と銭湯付帯の旅籠が同時開業

 2021年3月1日(月)、広島県尾道市のしまなみ海道沿いに、この土地に根付く古き良き伝統を尊重しつつも、旅館としては新しい現代的な要素を多く取り入れた旅館「Azumi Setoda」と別棟「yubune」が開業した。


「Azumi Setoda」は瀬戸内海のしまなみ海道沿い、心地よい潮風、青く穏やかな海、色鮮やかな樹木や柑橘類に包まれる瀬戸田エリアに誕生した。写真=Tomohiro Sakashita

 この旅館の誕生は日本だけにとどまらず、世界中から羨望のまなざしを注がれている。

 その理由は、あの“アマンリゾーツ”の創始者であり、世界的ホテリエとして知られるエイドリアン・ゼッカ氏がプロデューサーのひとりに加わっているからだ。


約140年の歴史ある建物を最大限受け継ぐ形で、現代と未来へ継承していけるように設計し、改装された。伝統的な趣を持つ旅館でありながら、現代的な発想で空間が構成されている。写真=Yuna Yagi

 瀬戸田の地に約140年佇む邸宅「旧堀内邸」の貴重な建築様式を残しながら丁寧に改装された旅館「Azumi Setoda」は、50〜70平米の計22室の客室、庭園、あずまや、ダイニング、ラウンジ、ギャラリーなどで構成されている。

 そして別棟の銭湯付帯の宿泊施設「yubune」には銭湯とサウナ、湯あがりラウンジ、客室14室を用意。

 日本文化の新しい表現としての旅館の在り方を提案しつつ、幅広い客層に温かみのあるおもてなしを提供し、地域全体に賑やかな連携をもたらすような旅館となることを目指しているという。


檜が香る客室の一例。室内からも露天風呂からも坪庭が美しく目に映える。写真=Tomohiro Sakashita

「旧堀内邸」の佇まいを継承しつつ、新しい息吹が吹きこまれた「Azumi Setoda」は、瀬戸田ならではの潮風、日差し、気候などとの兼ね合いがほどよいバランスで呼応する空間となっているのが特徴だ。


食事は地元の旬の食材、特に魚介類や柑橘類、野菜を主に使ったメニューが供される。美しい器使いと、その盛り付けもこだわりのひとつ。写真=Max Houtzager

 伝統的な趣を持つ旅館でありながら、現代的な発想で空間を構成。館内と客室に置かれた上質な家具は、檜など地元の自然素材がふんだんに使用されている。

 そして檜の心地よい香りに包まれる各客室には、個別に設計された坪庭が。

 客室から一体に繋がる自然を楽しむことができるという粋な趣向は、「旧堀内邸」としての歴史も尊重し、建物全体が“まるで邸宅に招くような”心遣いを表現したものだとか。


「yubune」の浴室の美しく斬新な銭湯壁画は、美術家のミヤケマイ氏によるもの。瀬戸内の島々、豊かな海と生き物がモチーフになっている。写真=Tomohiro Sakashita

 旅館棟の向かいに同時開業した、別棟の銭湯付帯の宿泊施設「yubune」の銭湯部分は、ビジター利用も可能で、季節に合わせて瀬戸田ならではのレモン風呂や塩の湯の体験ができる。

 このほか注目したいのは、地域に根ざしたアクティビティの数々だ。

 例えばサイクリストに人気の「しまなみ海道」ならではのサイクリングツアーをはじめ、瀬戸田の特産品であるレモン狩り体験、瀬戸内海の魚釣りツアー、サンセットクルーズ、お寺での座禅体験、お料理教室など。

 旅館「Azumi Setoda」は、多様な表情を持つ瀬戸田やしまなみ海道など、地域の魅力に触れる機会をたっぷりと提供し、堪能させてくれる貴重な一軒になるだろう。

Azumi Setoda

所在地 広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田269
電話番号 0845-23-7911(代)
Azumi Setoda http://azumi.co/setoda/
yubune http://azumi.co/yubune/

文=立花奈緒(ブレーンシップ)