広島・中崎翔太投手(28)が、復活への歩みを着々と進めている。昨年9月に「右後上腕回旋動脈瘤(りゅう)切除術」を受け、リハビリを経て順調に回復。状態面に不安はなく、現在は2軍戦で登板を重ねるレベルにまで到達した。かつての守護神は感謝の思いを胸に刻みながら、早期の1軍昇格へ意欲を示した。

 力いっぱい腕を振れることが、中崎の表情を明るくしていた。2軍ではあるが、実戦登板を重ねる日々に「間違いなく昨年より充実していると思います。今は普通に試合にも入っていけているし、問題ないかな」とうなずいた。

 ここまでウエスタン・リーグでは13試合に登板。計13回を投げ4失点で、防御率2・77と安定感がある。7日のオリックス戦(オセアン)では1点リードの八回から登板。スライダー、ツーシームを制球してアウトを重ね、2死から山足を148キロの直球で中飛に打ち取った。

 19年11月に右膝半月板部分切除手術。昨年9月には「右後上腕回旋動脈瘤切除術」を受け、動脈が部分的に大きくなる“こぶ”を除去。命の危険もあった中、再び野球に専念することができるようになった。

 手術に関わった病院関係者、チームのトレーナーには「感謝しかない」と思いを吐露。「自分だけの力では、ここまで戻ってこられなかったと思う。さらに状態を上げて早くチームに貢献できるように」と腕をまくった。  今季はキャンプから精力的にブルペン入りし、体調面に不安はない。「キャッチボールから、しっかりしたフォームで投げることを心掛けてきた。それがマウンドで少しずつですが、表現できるようになってきている」と手応え十分。「試合数もこなして、これといった不具合も出ていない」。球威のある直球を投げ込むなど一歩ずつ段階を上げてきた。

 16年からのチーム3連覇を守護神として支えた中崎。昨年はわずか6試合の登板に終わり、不完全燃焼のシーズンを送った。それだけに今季への思いは人一倍だ。「いち早く1軍に戻りたいのは、当たり前のこと。1軍に戻ることが目標ではなくしっかりチームに貢献できるように取り組んでいければ」と1軍での活躍を描く。

 ドラフト1位・栗林、同2位・森浦、同3位・大道と、若い力がリリーフで奮闘中。自身も負けるわけにはいかない。「チーム一丸で戦っている輪に入っていけるように、頑張りたい」。再起を懸け、必ず1軍舞台に舞い戻ってみせる。(向 亮祐)

 中崎翔太(なかざき・しょうた)1992年8月10日生まれ、28歳。鹿児島県出身。186センチ、101キロ。右投げ右打ち。投手。日南学園から2010年度ドラフト6位で広島入団。12年3月30日・中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初登板。通算成績は360試合で、19勝27敗、115セーブ、66ホールド、防御率3・02。今季推定年俸8700万円。