「知将・上田利治18」71年日本シリーズ第3戦(後編)

 【気骨で生きる〜知将・上田利治18】(後編)

 阪本がベース寄りに守っていてくれていたら…と上田は選手を責めない。しっかり守備位置を伝えられなかった自分を責める。

 長嶋を遊ゴロにしていれば試合は終わり、阪急の2勝1敗。断然有利なシリーズ展開となり、西本幸雄を「悲運の将」と言わせなかったかも知れぬ。上田の後悔が今も遠い思い出にある。

 いずれにせよ勝負事は怖い。指示ひとつのミスで戦いは暗転する。

 2年後−。

 「ウエ、俺の後を引き受けてくれないか」。西本は上田の目をじっと見ながら言った。

 王に痛恨の3ランを打たれ、敗北を喫した71年の日本シリーズ。その翌年の72年もリーグ制覇はしたものの、またもや日本シリーズで川上巨人に敗れ、そして迎えた73年。

 西本は、このシーズンからはじまった前・後期制のプレーオフで南海に敗れた後、上田を呼んだ。

 「ウエ、黙って聞き入れてくれないか」

 「監督が辞めるのに、僕が残って監督ですか。それはないですよ。ぼくもユニホームを脱ぎます」

 西本と上田のにらみ合い。無論、大人の会話である。険悪ではない。ただ、西本の本心は読めない。=敬称略=

※2016年5月〜同8月にデイリースポーツ紙面にて連載されたものです


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