「知将・上田利治29」76年日本シリーズ(2)(前編)

「知将・上田利治29」76年日本シリーズ(2)(前編)

 【気骨で生きる〜知将・上田利治29】(前編)

 1976(昭和51)年の日本シリーズ第4戦。阪急は日本一に早や王手をかけている。

 舞台は西宮球場。この試合、ここ一番の勝負で1球1球に誰もが真似のしようのない気魂を込め、勝利を呼び込む足立光宏が先発している。

 五回、スコアは2−1。2死三塁で山口高志が足立に代わった。山口は、その場面は高田繁から三振を奪いピンチを処理したが、七回に3四球で追いつかれた後、九回にこのシリーズを暗転させる「隙(すき)」を見せる。

 九回2死走者なし。打席に迎えた投手の小林繁に山口は「インコースに投げてぶつけそうに」なった。投手にえぐい内角球。仁義にもとる…。

 あれは山口が関大2年生の頃、小林が関大野球部の練習に参加してきた。それを機会にこの2人は付き合い、そしてその相手が今、打席にいて、あわやぶつけかけた。

 次の球が甘くなった。小林はそれをヒットにし、次の柴田勲にも内角球に気がひけて甘い球になり、2ランを喫して巨人が1勝をもぎ取った。

 「あれで一気に流れが変わったな」。山口の、この慚愧の話は『君は山口高志を見たか』(講談社)が書いている。

 確かに流れは巨人に傾き、第5戦(先発は巨人・ライト、阪急・山田)も落とす。阪急3勝2敗。 長嶋茂雄監督は息を吹き返した。11月1日。第6戦の後楽園球場は4万4948人の観衆を飲み込み、スタンドが埋め尽くされた。巨人ファンで溢れている。


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