昨年1月のコロナ鎖国以降、食糧難に陥っている北朝鮮。一部で食糧や肥料の輸入を再開したが、中国がストップをかけた。

デイリーNKの情報筋によると、北朝鮮のある貿易機関が当局の指示に従って中国産のコメ2トンを業者から買付け、貨物船を大連港に呼び寄せ、輸出する手はずを整えたが、思わぬ障害が現れたという。中国当局だ。

輸出するためには行政手続きを踏まなければならないのだが、どうやら意図的に遅らせているようで、手続きが進まず、輸出ができずにいるという。中国側の業者は別の業者に、運送費として10万元(約170万円)を提示して人員を確保しようとしたが、当局の顔色を気にして誰も受けようとしないという。

通常、中朝貿易は品物の代金の3割から5割を手付け金として支払い、残りは品物を受け取ってから支払う方式で進められる。それを考えると、北朝鮮は既にコメ代の全額を支払ったものと思われる。

朝鮮労働党の資金を使って輸入するものだけあり、輸出が遅れたり、取り引きそのものが流れたりしたら、貿易機関の責任者は処罰を免れないだろう。

これについて、ある北朝鮮研究者は「中国政府が最近、北朝鮮との非公式取り引きを禁止する措置を取っている。すべての取り引きは公式ルートを通じて合意したものだけ許可するという立場だ」と説明した。

また、「コメ以外にも北朝鮮の貿易会社が中国の業者を通じて非公式に輸出しようとする物品に対して、中国政府が持ち出し禁止措置を数回繰り返している」「中国は北朝鮮に、貿易は公式ルートで行うべきとのシグナルを送っている」とも述べた。なお、中国商務省のウェブサイトにはこうした内容に関する記載は見られない。

北朝鮮は今年に入ってから、大規模消毒施設を建設して中国からの輸入を再開したものの、国の承認を得た「公式の密輸」が横行するなど、税関を経ていない輸出入が行われている。

一方で、北朝鮮の貿易機関の関係者の間では「(昨年1月の)の国境封鎖後、(北)朝鮮に対する中国の影響力がさらに大きくなった。中国が朝鮮を手懐けようとしているのではないか」との声が上がっているとのことだ。