北朝鮮に迫りくる、長く辛い冬。各地で越冬のための食糧や燃料の備蓄が盛んに行われているが、海流の影響で緯度の割には温暖な咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)とて、事情は同じだ。

市内の工場、企業所、機関はもちろんのこと、各種教育機関でも越冬準備が行われているが、それを巡り、子どもたちが泣かされている。詳しい事情を、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

清津市の水南(スナム)幼稚園は、園児の親に対して、薪代を支払えと言い渡した。その額は1人あたり10万北朝鮮ウォン(約2200円)。コメ20キロ分に相当する金額で、おりからのコロナ鎖国による経済難の中、この負担は極めて大きいと言えよう。

幼稚園側は、薪代を早く納めた順に園児をランク付けしており、幼い子どもたちはプレッシャーと心の傷で苦しめられているという。

「貧しい家の子どもたちは、幼稚園に行くのを尻込みしている」(情報筋)

北朝鮮で子どもは「国の宝」とされているが、現場レベルでは「金づる」扱いされているのだ。

金正恩総書記は、今年1月の朝鮮労働党第8回大会の結語で、「社会生活の各分野で現れているあらゆる反社会主義的・非社会主義的傾向、権力乱用と官僚主義、不正・腐敗、税金外の負担などあらゆる犯罪行為を断固阻止し、統制しなければならない」と述べ、今回のような税金外の負担を厳しく諌める発言を行っているのに、全く守られていないとの報告が各地から来ている。

そもそも、幼稚園の予算は国から支給されて然るべきだが、「金正恩時代に入ってから国家的な恩恵(予算配分)は全くなくなった」(情報筋)のが実情。

事あるごとに物品の供出を求められ、「社会主義は教育が大切」との言葉とは裏腹に、授業そっちのけで物品探しに奔走する羽目になっている。